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木造建築のネツト記事
ID :  14782
公開日 :  2010年 1月26日
タイトル
[デザインと工芸への取り組みから生まれた
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樹のオルゴール「Mキューブ」
新聞名
家具新聞社
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元URL.
http://www.kagu-news.com/1001/100126-mqv.html
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元urltop:
-リンク切れ-
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写真:
 写真が掲載されていました
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山形県新庄市出身の田中晴樹さんは、1973年に千葉大学工業短期大学部木材工芸科を卒業し、北海道旭川市や東京の家具メーカーに勤務した後、東京に事務所を構えて家具やクラフトのデザイン・開発 に携わってきたが、生まれ育った地で地元の木材を使ってその地域の人々のためのものづくりがしたいと次第に考えるようになり、02年に「梅ヶ崎はれ工房」を新庄市に開設し、木工を始めた。03年にナラとペーパーベ ルトで作った「金山チェア」(後にメーカーで商品化)が全国木工芸コンペ「木と暮らしの工芸展」でグランプリ、08年に「モガミの樹種パズル」が山形県産木材製品コンテストで優秀賞受賞など、数々のコンペに入賞した。
20樹種それぞれの表情の違いが楽しい。音の響きも樹種により異なり、自分好みのオルゴールを選べる。
それでも理論派の田中さんは「デザインとは何か、モノづくりはどうあるべきかと一方で模索し続けていた」が、ある時、自分の娘のために作った木製オルゴールがきっかけで新しい道が開ける。
一見すると単なる樹の塊に見える木製オルゴール「Mキューブ」は、上面のねじを回すと樹そのものが音色を奏でているような不思議な感覚にとらわれる。最上地方で産出される欅、山桜、タモや黄肌、トチなど多様な 樹種を使い、樹の持ち味を生かすよう、それぞれに一番ふさわしい方法で仕上げをしている。耳付きや玉杢、縮み杢などの杢を生かしたデザインも人気があるという。
田中さんはこの「Mキューブ」で、09年の「山形エクセレントデザイン2009」のエクセレントデザイン賞、さらに同年12月には東京都中小企業振興公社が実施したコンテスト「東京の伝統的工芸品チャレンジ大賞(第5回) 」で優秀賞を受賞した。
このデザインと工芸の双方で入賞したことで田中さんは「長い間デザインと工芸の間で揺れ続けていましたが、一つの品モノがその両方で評価されたことでやっと何かがつかめた感じです」と顔をほころばせる。
Mキューブは裏を見ても、横を見てもどうやって機械を入れたのか全くわからないつくりになっている。ぜひ手に取って確認してもらいたい。
「使う人に喜んでもらおうと作ったものが、結果的にデザインとして受け入れられた。モノづくりの基本ってそういうことなんだと改めて確信しました」と語る田中さん。
長年、デザインと工芸に真摯に取り組んできた結果、見えてきた新しい世界。木と向き合う田中さんの手から、今度は何が生まれてくるのか楽しみだ。
「Mキューブ」の価格は1個5800円からで樹種により異なる。オルゴールの曲は「TSUNAMI」「こんにちは赤ちゃん」「イエスタデイ」ほかを用意。新庄市の梅ヶ崎はれ工房(0233-23- 3719)と、東京・新宿のリビングデザインセンターOZONE6階の工房家具ギャラリー・匠の杜(03-5322-6472)で購入できる。