ID :
14679
公開日 :
2010年 1月13日
タイトル
[七重塔など主要建物の土台が木装と判明 磐田・遠江国分寺跡
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20100114/CK2010011402000178.html
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元urltop:
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写真:
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『日本建築の美しさ強調』
七重塔跡内の木装基壇の位置を示す安藤主査=磐田市の遠江国分寺跡で
磐田市教育委員会は13日、市役所北側にある国の特別史跡・遠江国分寺跡(同市見付、中泉)で進めている2009年度発掘調査の成果を発表した。今回の調査で、七重塔や僧侶の寄宿舎・僧房の基壇(建物の土台部
分)が縁を木で囲った「木装」であることが判明。これまでの調査で金堂や講堂も同様であることから、市教委では主要な建物のすべてに木装基壇を採用していることが全国の古代寺院跡の中で初めて確認できたとして
いる。 (土屋祐二)
市教委は遠江国分寺跡の再整備に必要な資料を得る目的で、06年度から4カ年計画で発掘調査を実施。09年度は昨年8月から今年1月にかけ、塔、僧房、南大門跡など約280平方メートルを対象に調査している。
古代寺院の基壇は土台の土を固め、それを石や瓦などで囲うのが一般的だが、遠江国分寺は遺構の土の分析などから、主要建物に厚さ10センチぐらいまでの横板を使用していたことが確認された。主要建物以外で
も木製柱の灯籠(とうろう)跡や木製の暗渠(あんきょ)排水路が設けられていたことが分かっており、市教委文化財課の安藤寛主査は「日本建築の特徴である木目の美しさが強調された建物群だったと想像される」と話し
ている。
このほか、今回の調査で従来は15メートルとされた塔の基壇の一辺の大きさが約18メートルであることや、僧房の規模が東西60メートル以上あったことが判明。塔の東側で数十枚の瓦が立て掛けられた状態で出土、
塔跡からは奈良時代の地名が墨で書かれた土器が発見された。
市教委は17日午前10時~午後3時に発掘現場を一般公開し、午前10時と午後1時半に説明会を開催する(小雨決行)。問い合わせは市教委文化財課=電0538(32)9699=へ。