ID :
14560
公開日 :
2009年 12月29日
タイトル
[吉野家」建築に秋田杉 間伐材で低コスト、環境も配慮
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20091228-OYT8T01189.htm
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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丼チェーン大手の「吉野家」(本社・東京都新宿区)は、国産材を使用した初の店舗を由利本荘市にオープンした。秋田杉の間伐材をふんだんに使っており、建築コストと環境への配慮を両立させた実験的な
取り組みだ。数年かけて店舗を検証し、結果次第では「秋田杉使用のさらなる店舗展開も考えたい」としており、秋田杉の利用拡大を目指す県も「大きなチャンス」と期待を寄せている。(金島弘典)
今月1日にオープンしたのは、店舗面積約88平方メートル、22の客席を置く由利本荘市一番堰の「吉野家105号線由利本荘店」。店内に入ると、木目が美しい秋田杉の柱2本が目を引く。店内の壁にも秋田杉の薄い板
が内装としてあしらわれ、他の店舗とは趣の異なる「和」の雰囲気が漂う。
吉野家や県秋田スギ振興課などによると、この店舗は、構造物も含め全体の約60%が秋田杉の間伐材で建てられている。吉野家ではこれまで、店舗に木材を使う場合はコスト面などから米国産の松など外国産材を採
用していたが、国産の間伐材なら費用に大きな差がないため、使用を決定した。
コスト面ばかりではない。間伐材は、森林がやせ細った木ばかりにならないよう間引きする過程で出る。その活用で、二酸化炭素(CO2)削減に貢献しようとの判断もあった。
秋田杉を選んだのは、木目や色合いの美しさなど素材の良さとともに、県からの2年越しの働きかけも背景にあった。県は秋田杉の利用を促進しようと、同店建築に合わせて、県内の木材業者や加工業者らを束ねた杉
の共同出荷窓口を設置。注文があれば早急に調達できる体制を作った点が、吉野家から評価された。
同店の樋口和彦店長(36)は「牛丼という『和のファストフード』になじみがよいのだろう。大きな手応えを感じる」と話す。樋口店長によると、客からは「しっとりしていて落ち着く」などの反応がある。同店は東北地方初
のドライブスルー機能を持つが、車を降りて店内を見に来る客もいるほど。売り上げも予想以上で、滑り出しは上々だという。