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木造建築のネツト記事
ID :  13679
公開日 :  2009年 10月23日
タイトル
[「イチョウはなぜ植樹されるのか」
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=177504
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元urltop:
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写真:
 
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田辺市の龍神村や中辺路町辺りではもう秋が本番。野山の木々が赤や黄色に染まってきた。刈り入れを終えた田んぼから立ち上る野焼きの煙にもこの季節ならではの風情がある。道路沿いや神社、寺、学校 に多く植えられているイチョウの葉も日に日に黄色くなっている。
 ▼この木が街路樹や庭木として好まれるのはどうしてか。筆者は長い間、黄葉が美しいし、冬には落葉して光が差し込むからではないかと思っていた。ところが、田中修著『都会の花と木』(中公新書)を読んでいると、 それだけではなく二つの理由があることを知った。
 ▼一つが氷河期を生き延びた「生きている化石」であり、長寿にあやかれる神木として尊ばれていること。もう一つが防火用としてである。イチョウの樹皮は厚く水分が多いので、耐火性にすぐれているとして、古くか ら主要建築物を守る木として植えられてきた。
 ▼これを実証したのが1788年、京都で起きた天明の大火である。3万7000戸が焼失したが、その時、本能寺のイチョウの木に身を寄せた人々は救われたといわれており、この木はいまも「火伏せのイチョウ」として 親しまれている。
 ▼イチョウ並木は見た目には美しいが、ギンナンが落ちると、汚くて臭い。そこで、最近は実のならない雄株が人気になっている。美しいイチョウ並木がある大阪の御堂筋でも、枯れた木を植え替えるときに、雄株に 切り替えているそうだ。