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木造建築のネツト記事
ID :  13671
公開日 :  2009年 10月22日
タイトル
[「日本はすばらしい国」とストッパード氏 世界文化賞受賞者懇談会
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新聞名
MSN産経
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元URL.
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/091021/acd0910211907004-n1.htm
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写真:
 
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21日、東京・虎ノ門のホテルオークラ東京に集まった世界文化賞の第21回受賞者は記者会見後、報道陣との個別懇談会に臨み、芸術への尽きない思いやエピソードをそれぞれ披露した。
 杉本博司さんはリチャード・ロングさんと数日前に都内で意気投合。鉄板焼き店で食事をともにし、23日に開く静岡県内の写真美術館にも案内した。「驚きがあって、自分が面白いと思えることだけをやる」のがモットー 。頼まれた仕事には興味を示さない。古美術収集や評論執筆、建築設計と好奇心は尽きない。「周りを見渡して逆のことをやる。ウケないようにやっていて、ウケてしまうのが面白いんですよ。最近は建築の仕事も多いか ら、次は建築部門の受賞を目指したい」と笑わせた。
 そのロングさんは「テキストとして言葉を使う点、簡素という点で、俳句に魅せられている」と、すかさず松尾芭蕉の句を詠み上げた。10回ほど来日しているが、訪れたことのない北海道での創作に意欲的。「歩いてい ろいろ考えたい。初めてのところを歩くと、それまで想像できなかったものを見つけることがある」と、“歩行の芸術家”として現場感覚を強調した。
 ザハ・ハディドさんはイッセイ・ミヤケのショールをまとって現れた。「日本のファッションからは大きな影響を受けてきた。着心地もデザインもよく、身につけると『変身』できるような魅力がある」。現在はロンドン五輪 水泳センターなど世界中で40以上のプロジェクトが進行中という多忙ぶりだが、「自分たちのやっていることが信用されず、ネガティブに受け止められることもあった。今回、継続と忍耐で戦ってきた成果が認められてと ても光栄」と感慨深げだった。  理知的な演奏で知られるアルフレート・ブレンデルさんは、昨年12月の引退コンサートから1年近いが、「私の辞書に退屈という言葉はない。講演会や詩の朗読、本の執筆、若手ピアニス トの指導もあり、ストレスから解放された」とすがすがしい表情。ピアノに向かうのは毎日ではなくなったが、ヘンデルやハイドンなどさまざまな曲を弾く。指先をひらひらさせながら「これだけあれば余生も楽しい」と愛嬌( あいきょう)たっぷりに語った。
 「天才が並んでいるのに私は同時通訳のレシーバーさえうまく使えない」と記者会見で笑いを誘ったのはトム・ストッパードさん。個別懇談会では、高校中退後に地方紙の記者からキャリアをスタートした経験から、集まっ た記者に逆質問を浴びせる場面も。今回が初来日で、シベリア鉄道経由。日本の印象を聞かれると、伊豆旅行でスーツケースと全財産が入ったバッグを駅のホームに置いたまま別の電車に乗ってしまったエピソードを披 露。取り残された荷物は盗まれることもなく、手元に戻ったことに驚き、「日本はすばらしい国」と絶賛していた。
 受賞者らは同日夜、東京・明治神宮で開かれた「歓迎の夕べ」にも出席し、参拝後、歓談を楽しんだ