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木造建築のネツト記事
ID :  13198
公開日 :  2009年 9月10日
タイトル
[用品会社会長 ログハウス寄贈 山小屋 恩返しの再建
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000000909110002
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元urltop:
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写真:
 写真が掲載されていました
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■御在所岳に集中豪雨 崩壊から1年 ■用品会社会長 ログハウス寄贈  御在所岳(菰野町、1212メートル)の登山道裏道にある山小屋「藤内(とうない)小屋」は、1年前の集中豪雨で深刻な被害を受けた。若いころ、ロッククライミングのメッカともいわれる近くの「藤内壁」で鍛えた登山・ア ウトドア用品「モンベル」(本社・大阪市)の会長、辰野勇さん(62)が「藤内小屋」の再建にとログハウスの資材を贈り、ボランティアの山岳関係者たちが山中につち音を響かせている。9月末には完成する予定で、登山者 の憩いの場になりそうだ。(森山敏男)  辰野さんは名古屋から藤内壁に通い詰めてクライマーとしての力量を磨き、69年に欧州三大北壁の一つ、スイスのアイガー北壁の登頂に成功した。
 19歳の時、藤内壁から落ちて足を骨折、動けなくなったところを救助してくれたのが、藤内小屋の主人だった佐々木正己さん(74)らだった。
 昨年の豪雨で、宿泊もできる藤内小屋の本館、新館、休憩所の一服亭などが土砂や岩に押し流されたことを知り、ログハウスの寄贈を決めた。30年ほど前にも山小屋を贈っていたが、それも豪雨で崩れた。ログハウ スは、10平方メートルだった古い小屋の3倍の広さになり、宿泊客も30人程度泊まれる。
 「アイガーに登れた原点は藤内壁。モンベルも大きくなり、これまでの感謝の意味を込めて支援させてもらった」と辰野さんは話す。
 8月末、自ら陣頭指揮して約15トンある角材などの資材を現場に搬入した。重機が立ち入れないため、モンベル社員百数人、陸上自衛隊員約90人、山岳関係者約60人が手分けして、人力で担ぎ上げた。
 資材搬入後は、県内の山岳愛好家たち十数人とモンベルの社員が毎週土日に、組み立てを進めている。愛好家たちは元大工や1級建築士らで、藤内小屋の惨状をみかね、いてもたってもいられないという人ばかりだ。
 藤内小屋新館などの建て直しも徐々に進む。新館は丸太の柱を取り換えながら元の位置に7メートルずらした。旧館は今後、2メートルずらす。ただ、建物の被害が激しく宿泊客を受け入れるまでにはあと1年くらいかか りそうだという。
 それでも、佐々木さんは笑顔を見せる。「一時は失意のどん底で復興できるとは思っていなかった。辰野さんをはじめ、皆さんには感謝の気持ちを通り越した心境で、夢のようです」 ◎藤内小屋 御在所岳のシンボル的な山小屋。59年の創業以来、年間2千人の宿泊客があり、山岳事故の救助拠点にもなっていた。昨年9月の豪雨で宿泊できる本館、新館、休憩所などが深刻な被害を受けた。++/div ++