ID :
12464
公開日 :
2009年 7月 2日
タイトル
[郷土の誇り、半原の宮大工を後世に/愛川の鈴木さん
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新聞名
神奈川新聞
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元URL.
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivjun0906898/
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元urltop:
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写真:
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郷土の誇り、半原の宮大工「矢内家」の歴史を後世に残したい。そんな思いから20年掛かりで矢内家を調査研究してきた愛川町半原、大光工務店経営鈴木光雄さん(71)が研究の集大成を「半原宮大工矢内匠
家匠歴譜」と題して自費出版した。A4判、257ページの著書は、丹念に調べた矢内家の歴史や業績がびっしりと詰まり、文字通りの労作となっている。
矢内家は、12代目の柏木(柳川)右兵衛安則(1760~1834年)から始まり、1952年の16代目まで続いた。特に著名なのが、14代目で初めて矢内姓を名乗った右兵衛高光(1822~1907年)。江戸城修復や大山寺(
伊勢原)の本堂、県内の村々の「みこし」も多く手掛けた。しかし、男子がいなかったため16代目で宮大工としての矢内家は途絶えたという。
工務店を経営する鈴木さんは16歳でこの道に入り、家の近くに矢内家があったことや、自身も14代目のひ孫弟子に当たることから、約20年前、矢内家の調査研究を始めた。
仕事の傍ら、矢内家所蔵の古文書など資料を丹念に収集して解読。またゆかりの神社仏閣を訪ね回った。こうした成果を午前0時までパソコンに向かい、記録を残していった。
念願の出版を終えて鈴木さんは「半原の宮大工の誇らしい歴史を後世に残したい思いで頑張ってきた。口伝えでは歴史がいつか変わってしまう」と話している。
本は300部印刷。ほとんどが資料収集の協力者などに配布された。