ID :
1304
公開日 :
2006年 7月 8日
タイトル
[木の家・エコとハウスメーカー・工務店
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新聞名
新建ハウジング
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元URL.
http://blog1.s-housing.jp/article/20563127.html
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写真:
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ビジネスキーワードに「創造的模倣」という言葉がある。すでに誰かが行ったことを、さらに深く、徹底的に、しかも顧客視点で行い、先行者よりもリスク少なく、楽に、大きなシェアを確保する戦略をいう。
P・Fドラッカーもそのメリットをこう書いている。
創造的模倣を行うものが動き出す頃には、市場は確立し、製品が市場で受け入れられている。それどころか、通常、最初のベンチャー・ビジネスが供給できる以上の需要が生まれている。市場もすでに明らかになってい
る(イノベーションと起業家精神)
大手ハウスメーカーがいま、木の家(自然素材)・エコという切り口で、この創造的模倣を本格的に展開しようとしている。地域工務店が木の家(自然素材)・エコを切り口に切り拓き・定着した市場について、さらに深く、徹
底的に、顧客視点で攻めることで、一気にシェアをとろう、という戦略だ。
この場合「さらに深く」というのは理論的な意味づけであり、「徹底的に」というのは、仕様・設備の充実やゼロ光熱費・ゼロエミッションといった環境性能の追求・表現であり、「顧客視点で」というのは巧みな双方向のマー
ケティングである。
この戦略に、「付け焼刃」的に木の家(自然素材)・エコに取り組んできた工務店・ビルダーはおそらく対抗できない。
一方、真剣に木の家(自然素材)・エコに取り組んできた地域工務店としても、この大手の動きは把握しておくべきだが、そのうえで木の家(自然素材)・エコを地域工務店ならではの要素と地域の顧客視点で「標準」として
再構築し、地域に伝えていけば問題はないと考える。
その再構築のキーワードの「ひとつ」は、「地域密着」という原点にあると思う。そこで、7月30日号に予定している新建ハウジングの夏の恒例特集「がんばれ地場工務店」では、地域密着について事例を元に考えてみる(
だが、ここも「創造的模倣」される可能性はある)。
また、いまヒントになりそうだな、と思っているのは、ベストセラーになっているハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代でも紹介されている「ハイ・コンセプト」「ハイ・タッチ」という考え方だ。それをこの本で
は「デザイン」「物語」「全体の調和」「共感」「遊び心」「生きがい」の「六感」というキーワードで解説している。この考え方はなかなか面白いので、追って書いてみたい。