ID :
11920
公開日 :
2009年 6月 1日
タイトル
[指物師と京繍作家による作品展「木と糸展」
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新聞名
烏丸経済新聞
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元URL.
http://karasuma.keizai.biz/headline/779/
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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たち吉本店(京都市下京区四条富小路角、TEL 075-211-
3143)で5月29日から、菅原伸一さんと長艸純恵さんによる「木と糸展」が開催されている。同展は、今年4月に「ぎゃらりい思文閣」で開催された、指物師・菅原伸一さんと京繍(きょうぬい)作家・長艸純恵さんによる「木と
糸展」の2度目となる作品展。
今回の作品展では、菅原さんの作品40点、長艸さんの作品63点、合作3点をそれぞれ紹介しており、「前回同様、どのような場所にも調和する作品をテーマにしているが、今回はそこに華やかさもプラスした感じ」と長
艸さん。
「木の色をそのまま生かし、和・洋どんな場所にも合うようにと考えて作品を作った。今はマンション住まいの方も多いので、洋風の住まいにも違和感なく溶け込んでいく感じで、木の自然の木目を見せるようにと心がけ
た」と菅原さん。菅原さんは、大工だった父の影響を受け、材料となる木を丸太で購入する。丸太を細くひき割り、そこからさらに5~10年乾燥させた木を使って作品を制作する。「最近では、すぐに制作に取り掛かれるよ
うな板になったものを買ってきて作品を作る方も多いので、丸太から買ってきて制作するのは珍しい」(同)という。
作品を制作する過程で、菅原さんは「作るまではいろいろと考えるが、いったん作り始めると無心になる。集中しすぎて周りからの呼びかけに気付かないこともある」という。長艸さんも、「縫っている時はいつも無心。
毎日縫っていて本当に楽しい」と話す。
菅原さんは「京都は日本文化、特に伝統工芸、の面から見るとまさに日本の中心。寺の欄間などの建具も制作しているが、建築に関しても技術や使用している材料の違いなどを見ても本当に素晴らしいものがたくさん
残っているのが京都」とも。長艸さんの作品については、「長艸さんの京繍は技術的にはもちろんだが、図案や色目、余白の使い方まで素晴らしく、美しい」(同)と話す。
「今回の作品展を通して、白木の美しさを、実際に手に取って感じていただきたい。日常的に使っていただくうちにだんだんと味が出てくるのが指物なので、それも楽しんでいただければ」(菅原さん)。「天の恵みとも言
える自然の中にあるものをいかして作品を作ることのできる幸せを感じる。これまで指物や京繍を知らなかった一人でも多くの方に、この作品展をきっかけにこうした技を見て、知っていただきたい」(長艸さん)。
開催時間は10時30分~18時(最終日は16時まで)。6月14日まで。期間中は作品の販売も行っている。水曜定休。