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木造建築のネツト記事
ID :  10085
公開日 :  2009年 1月 7日
タイトル
[熟練の技で逆風と戦う  培ったブランド力、雇用確保
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新聞名
岐阜新聞
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元URL.
http://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/2009/ikinuku/ikinuku_7.shtml
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元urltop:
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写真:
 
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不況に苦しむ陶磁器業界。昨年は燃料費高騰に加え、瓶詰め徳利産地の多治見市共栄地区では事故米の問題で焼酎が売れなくなった関係で、徳利の受注が減少、さらに世界的な不況が襲った。
 「受注は前年比3、4割減の見込み。かつてない状況」と同地区の陶磁器製造業の社長(62)はため息交じりで話す。しかし、業界では不況による正社員解雇の話はほとんど聞かないという。
 社長は「家内工業みたいな業者ばかりで、人件費が抑えられるからでしょう」と。しかし人件費を抑えても経営が楽になる訳ではない。同社も2年連続赤字の見込み。しかし、これまで解雇をしたことはなく「本人が望め ば70歳でも働いている。会社には熟練工が必要」と強調する。
 同社工場の作業はかなり自動化されている。しかし、文字の書き込みや徳利の口作りなど手作業が必要な工程も多い。「一生陶磁器のために働こうという人たちだ。一緒にやってきた仲間の首を切れるはずがない」と社 長は言い切る。
 「飛騨の家具」というブランド力で国内外から認められてきた飛騨の木工業界。大手企業の受注が不況前の約25%減にとどまるなど、全国的にも元気な産地との評価を受けているという。
 飛騨地域の34社でつくる飛騨木工連合会の北村斉理事長(58)は「不況の打撃が比較的少ないのは、技術を受け継いできた伝統に対する信頼のたまもの。バブル崩壊以降、各社は計画的な人員削減などで健全経営 に務めてきた。今後の回復も早い」とする。
 家具作りには職人の熟練の技が必要だ。北村理事長が社長を務める高山市桐生町の日進木工では、技術を身に付けた老若男女が勤務する。勤務歴15年の水小瀬美和子さん(64)=同市冬頭町=は、孫の世話で4年 間、職場を離れた経験がある。「働かせてもらえて本当にありがたい。一生懸命やりたい」といす作りに精を出す。
 地元産スギ材の活用などに取り組む同市名田町、飛騨産業の岡田贊三社長(65)は「伝統の継承に加え、木材活用による森林の整備、地域の雇用の確保に努めることで持続可能な経営ができる」と、地場産業がそこに ある意義に力を込めた。
=おわり= 【地場産業】  県モノづくり振興課によると県内には繊維、陶磁器、紙、金属刃物、木工、プラスチック、食品の7大地場産業がある。美濃焼は一般向け食器のシェア5割を超える国内一の産地。中小、零細企業が大半を占める。飛騨 の木工は、イスなどの西洋家具の普及とともに、飛騨地域に豊富なブナ材などを利用した家具作りで発展してきた。