ID :
9890
公開日 :
2008年 12月17日
タイトル
[羽黒山のご神木、家具に“転身” ヘリ使い搬出
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新聞名
山形新聞
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元URL.
http://yamagata-np.jp/news/200812/16/kj_2008121600238.php
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写真:
複数の写真が掲載されていました】
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鶴岡市の羽黒山の傷んだ神木をヘリコプターで搬出する作業が今月上旬、2日間にわたり現地で行われ、信仰の山にけたたましいエンジン音が響いた。霊験あらたかな木は、市内の業者がテーブルや床柱
などを製造するための材料として生まれ変わる。
搬出されたのは、落雷などで傷ついたり枯れるなどした樹齢数百年のスギとマツ計25本。「山を重機で荒らさないように」と、出羽三山神社が空輸を条件に入れて入札を行った。落札したのは家具の製造、販売を手掛
ける同市の富樫銘木(富樫葉士社長)。同社が羽黒山の神木を入手するのは約5年ぶり。富樫社長によると、樹齢が長く材木の質が良い上、御利益を求める人も多いため、神木を材料とした家具は高級品として流通する
という。
初日の作業には同社員とヘリ業者約20人が参加。羽黒山伏による安全祈願の神事の後、作業を開始した。事前に同社員らが長さ5-10メートルほどに切っておいた木を、南谷地区など数カ所からヘリで1本ずつつり上
げ、羽黒山スキー場の駐車場まで運んだ。幹の直径が1メートル以上ある巨木もあり、パイロットや社員らはバランスを保ちながら慎重に作業していた。
ヘリ(右奥)で運び出された神木を積み上げる作業員
ヘリの往復回数は2日間で合わせて65回を数えた。富樫社長は「大変な作業だったが事故なく終えてほっとした。長い年月を生きてきただけあって木目が素晴らしい。立派な家具を作りたい」と話していた。