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ID :  9873
公開日 :  2008年 12月12日
タイトル
[もっと知りたいエコロジー:古いものを捨てないで使う
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20081215org00m040005000c.html
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元urltop:
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写真:
 写真が掲載されていました
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バキバキッ、とものすごい音がするので窓の外をのぞいてみると、粗大ゴミのトラックがいままさに木製の棚をつぶしてトラックの中に吸い込まれていくところだった。「ああ、もったいない…」と思わずつぶやい てしまう。まだ真新しく、あれなら欲しい人もいるだろうになあと残念に思う。
 使える家具でもなんらかの理由で手放さざる場合がある。狭い部屋に引っ越したり違うものに買い換えたい、などなど。でも捨てるにはしのびない。そんな家具をリメークしてまったく違う商品に仕上げ、それをほしい と思う人に渡っていくという取り組みがある。
 物流サービスを営んでいる株式会社ウィンローダー(高嶋民雄代表)が行う「Re-arise」では、引越しなどで出る不要な、しかしまだ十分使える家具類などを引き取り、プロのデザイナーに依頼してリメークしたものを ネットオークションで販売している。「Re-arise」は2004年から始まっているが、展示イベントで見るだけであったり、同社のホームページ上でしか購入できなかった。それがこのほどヤフーオークションとの共同事業 により毎週月曜日の「これ売ろうあれ買おう」のページ内で購入することができるようになった。
 「物流会社ですから物を作る、売るという仕事は試行錯誤の連続でした。今回のオークション販売で消費者のニーズや評価を調べ、どういうものが求められているかを研究し軌道修正していきたいと考えています」と担 当の数間亮さん。工房と提携した製作が可能なのでオーダーメイドにも応じる。
 古い板や材料を使って家具をリニューアルする方法もある。昔のたんすやイス、机、小物入れなどは、いまのような合板家具ではなく木で作られていることが多い。日本の小さな家にあった家具類はこじんまりとしてい るが使い勝手がよく、特に見た目に味わいがある。シンプルだけれど個性的なのだ。こうした家具は古道具屋さんで求めることができる。もし手持ちの家具でそのままでは使えないものがあれば、修理してくれる工房も ある。
 埼玉県松伏町の工房イサドを訪ねた。店主の本田敦さんは古いものを家具のどこかに取り入れて作ることを得意としている。
 たとえば水屋ダンスと呼ばれる昔の食器棚の窓に中古のそろばん玉で目隠しにしてみたり、イスの背にそろばん玉をつけてみたり、などだ。
 「古いそろばんをただ捨てたくなくて家具につけたらかわいいかなと思いまして。飾りのようなものですけどこれがけっこう人気があります」と本田さん。「古いものには新しいものにない風合いがある、それが好きなん です」と語る。もちろん、リメークにも応じてくれる。
 粗大ゴミの自治体による有料回収も盛んになり、状態のよいものをリユースする自治体も増えている。しかし,その一方で不法投棄もあとを絶たない。回収しにくい山の中や谷底などに投げ込まれることも少なくない。
 古いものを違う顔に生まれ変わらせる、そのような物の長生きのさせ方もある。ゴミ問題の解決にこうしたやり方を取り入れてみるのもまた一考である。(環境ライター・鞍作トリ)  ウィンローダー・エコランド http://www.eco-land.jp/  工房イサド http://homepage2.nifty.com/isado/ 2008年12月15日