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ID :  9833
公開日 :  2008年 12月12日
タイトル
[金融危機対策、中国政府54兆円投入の詳細とは?
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新聞名
サーチナニュース
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元URL.
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=1211&f=column_1211_001.shtml
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写真:
 
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アメリカのサブプライムローン問題に端を発し、全世界に及んだ金融危機に対して、中国政府は、税制の改正、銀行金利の断続的な引下げ、融資政策の緩和、外貨流出入の管理強化等、様々な対応手段を打 ち出した。これら一連の対策の中で最も注目を集めたのが今年11月28日の国務院常務会で国務院総理の温家宝氏が「世界金融危機の中国への不利な影響を防ぐため、積極的財政政策及び適度に緩和的な貨幣制度を 講じ、更に国内需要を拡大させ、経済成長を促進するため、2010年末までに4兆元を投入し、今年末までに中央財政から1000億元を追加投入する」、と宣言したことである。
  4兆元の財政資金は次の10分野に分配されることになる。
(1)「安居工程」(居住安定プログラム)の建設・推進 (2)農村のインフラの建設の加速 (3)鉄道、道路及び空港等の重大な交通インフラの建設・整備 (4)医療衛生、文化教育事業の発展推進 (5)生態環境の対策・建設 (6)技術の独自創造及び産業構造の調整・支援 (7)震災地の復興 (8)都市と農村の住民の収入(個人所得水準)の向上 (9)増値税改革による企業減税 (10)金融の経済成長支援の強化、の10分野である。
  一方、今年年末までに投入しなければならない1000億元(なお、震災地復興向け投資の前倒投入200億元も中央財政による投資として予定されている)は、国家発展改革委員会と財政部が行うことになっている。国 家発展改革委員会は11月に「追加した1000億元の中央投資を緊急実施する業務方案に関する通知」を発布し、財政部は12月4日に「国内需要を拡大し、経済の増加を促進する政策の実施及び資金の監督管理業務に関 する通知」を発布した。
  この2つの通知の中では、1000億元を主として庶民生活プログラム、重大インフラ施設、生態環境、技術の独自創造及び産業構造の調整等の建設に用い、すでに建設中であるプロジェクトと新プロジェクトを同時に 選択し、南部地域に所在する実施条件を満たすプロジェクト及び北部地域に所在する設備・原材料を発注することができる推進プロジェクトを優先的に調整し、特に影響範囲が広く、産業連鎖が期待され、できる限り早 期に設備・原材料を購入することができるプロジェクトを選択して、これらの項目について、実際の業務量を確立し、有効な需要量を形成すると規定されている。
  12月から国家改革発展委員会のホームページで毎日1000億元の投入動向を掲載し、更新している。現在までの動向は、次に掲げるとおりである。
  12月1日までにインフラ施設に280億元を投入している。また、12月3日までに農業・林業・水利プログラムに291億元(そのうち、水利に200億元、林業に36.5億元、農業に24.5億元、農業ガスに30億元)を投入し、 省エネルギー、循環経済及び重点流域の工業汚染の改善プログラムに25億元を投入し、食糧・油の保管施設及び乾燥設備に10億元を投入し、住居の供給に100億元を投入し、12月4日までに独自創造及び高新技術の 産業化に16億元を投入し、社会事業に130億元(そのうち、教育分野に30億元、衛生分野に48億元、文化及び旅行分野に8億元、一人っ子政策に10億元)を投入し、農村郵便事業に2億元を投入している。更に、12月5日 までに交通インフラ施設に280億元を投入している。
  中央政府は、4兆元の投入について、毎年GDPの1%の増加を維持できると予想している。黒字財政に恵まれた中国政府の今後の対策と効果はこれからも注目される。