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木造建築のネツト記事
ID :  9728
公開日 :  2008年 12月 1日
タイトル
[沖縄の木にこだわり いすなど“足モノ”が特徴
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新聞名
沖縄タイムス
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元URL.
http://www.okinawatimes.co.jp/spe/takumi20011220.html?PSID=3a9b5d5a0cca078bc0ac25b943844ac3
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元urltop:
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写真:
 
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 県産木リュウキュウマツを使ったベンチやソファ。光に映える色つやに、木目の並びが程よい柄を作り、「品と質感がある」と好評。現在では県庁をはじめ各地の公共施設のロビーや役所応接室など、県内 各地で見られるようになった。
 県内のリュウキュウマツを使った家具生産の五分の一のシェアを占めているのが新城伸治さん(62)が経営する新城工作所=浦添市。
 新城さんは「県産の木を使って沖縄の風土に合った家具を作ることで、ほかとの差別化を図っている」と話す。開業して三十五年。「ソファやテーブルなどの“足モノ”がうちの特徴」。腕には自信がある。
 名護市出身。幼いころは砂糖だる作り職人だったおじの仕事場が遊び場で、見よう見まねで木工を楽しんでいた。「そのころに覚えたもの作りの楽しさが今につながっている」と話す。
 中学卒業後、亡くなったおじから道具を譲り受け、木工を本格的に学ぶため那覇の木工所に見習として入った。若いながらも、それまでに培った木の知識や腕が評価されて、三年では一人前の職人に数えられ、八年後 の二十三歳で、親方のお墨付きをもらい独立、新城工作所を設立した。
 繁華街が各地にでき、いすやテーブルの需要が膨れ上がった一九五〇、六〇年代。しかし復帰後は一転、本土家具の大量流入、大型家具店の進出と、本土製品に押されるように。
 世の移り変わり、時代のニーズの変化に合わせて何度も試行錯誤を繰り返してきた新城さんは「県産材を活用し、特徴ある家具を作れば競争していける」と思い立つ。
 同業者と組合をつくり、リュウキュウマツをはじめとする県産材の研究に没頭した。虫がつく、変形しやすいなどクセの多いマツ。新城さんは、マツの乾燥法、除虫、色塗りと工夫を重ね、製品化にこぎ着けた。「リュウキ ュウマツは柄もいいし、耐久性もある。マツの中では一番いい」と胸を張る。
 三年前からは三線や太鼓の制作も始め、ウチナームン意識も一段と増している。「沖縄の木にこだわっていい作品を作っていきたい」と創作意欲にあふれている。(