ID :
9714
公開日 :
2008年 12月 4日
タイトル
[中国・田螺山遺跡:世界最古の茶畑遺構か 日中共同で、金沢大など発掘
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20081203ddlk17040664000c.html
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元urltop:
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写真:
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起源解明に期待
中国南東部・浙江省余姚(よよう)市にある初期稲作集落跡「田螺山(でんらさん)遺跡」で、6000~6500年前の世界最古の茶畑とみられる遺構が発見された。金沢大、北京大など日中共同研究グループの発掘調査
で分かった。現在広く世界で親しまれる茶だが、いまだ明らかでない起源の解明につながる成果として注目される。【野上哲】
04年から日中共同で始まった発掘調査で見つかった。メンバーの中村慎一・金沢大教授(中国考古学)によると、地表面に長さ2~3メートル、深さ15~30センチのくぼみが二つあり、内側に樹木の根が約30株あった
。木の細胞形状などを詳しく調べたところ、茶が属するツバキ属と判明した。
くぼみは高床式住居跡のそばにあった。株は立った状態で根を張り、列状に並び、人工的に植えられたとみられる。また、株が太さ数センチと細く、植樹間隔も狭い。こうした状況から、ツバキ属でも背の低い茶の木の栽
培跡である可能性が高いと判断した。
現在は世界各地で人をもてなす特別な飲み物として珍重される茶。茶の木の起源は中国南部説が有力で、茶を飲んだ文献記録は2000年前の中国漢代にあるが、それ以前はよく分かっていないという。
中村教授は「さらにDNA分析を進めるなどし、種を特定したい。飲用したかなどは分からないが、茶に親しむ習慣、文化があったと分かれば大きな発見だ」と期待を寄せる。
田螺山遺跡は湿地帯にあり、6000~7000年前の木や骨製の器物、食料である魚の骨や植物の種などが極めて良い保存状態で多数出土している。
◆市民向け講演会
金沢大は「最古の茶畑」を含む日中共同調査の成果を紹介する市民向けの講演会「中国の初期稲作遺跡を掘る」(講師・中村教授)を13日午後2時から、金沢市西町の金沢大サテライト・プラザで開く。無料。事前申し
込み不要。同プラザ(076・232・5343)。