ID :
1048
公開日 :
2006年 5月23日
タイトル
[那覇の設計事務所「チームドリーム」
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.janjan.jp/column/0605/0605204709/1.php
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元urltop:
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写真:
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優れた木の建築物を表彰する第2回木の建築賞のハイブリッドウッドアーキテクチュア賞(特別賞)に那覇市曙町にある設計事務所「チームドリーム」(代表・福村俊治氏)が選ばれ、14日東京で表彰された。受
賞の対象になったのは宜野湾市大謝名の民家の離れ「あしゃぎ」で、住宅の鉄筋コンクリートとの混合に木造建築の可能性を見い出すことができるとして高く評価された。
この賞は「NPO木の建築フォラム」(坂本功理事長)が主催。選考は(1)地域の木材を主として用い、地域の木材産業の振興に寄与していること、(2)木の建築技術の継承と発展に寄与、(3)地域社会に対応した木の
空間が実現され、地域の風土や文化を表現している、の3項目を基準に審査された。今回応募されたのは34点。
受賞した「あしゃぎ」は2001年に完成。6畳一間で床の間、押し入れがある。屋根は赤瓦。宮崎産の杉材を使用している。来客の宿泊に利用している。「あしゃぎ」とコンクリート母屋との間には、沖縄の木造住宅に古く
からあった「あまはじ」が4mの幅で造られ、伝統的な空間が作り出されているのが特徴。審査では「コンクリート造の母屋と木造の離れで構成された中庭の空間に、新鮮で独自な試みが認められる」と評価されている。
沖縄では最近、「高機密性・高断熱性」を強調した本土仕様の住宅メーカーのプレハブ工法による住宅、鉄筋コンクリート住宅が主である。強い光と亜熱帯の温暖な気候風土に適し、通風性のある古くからの木造建築と
はまったく逆の方向だ。今回は「沖縄の自然環境を享受できる空間や仕掛けを持つ住宅」を心がけてきた設計事務所にふさわしい受賞となった。福村さんは「沖縄の気候風土を生かした建築物が評価され、喜んでいる」と
話している。
この設計事務所「チームドリーム」は2001年にオープンした糸満市摩文仁の沖縄県平和祈念資料館を設計するなど、沖縄の気候風土、地域の特性などを生かした建築物で評価を受けている。