ID :
9149
公開日 :
2008年 10月25日
タイトル
[道産カラマツ建材人気 柱や梁に…住宅5年で6倍 風合い木目も鮮やか
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/125512.html
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写真:
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道内で豊富な資源量を誇りながら、林業関係者から「厄介者」扱いされてきたカラマツが、住宅建材として注目を浴びている。道産カラマツ材を柱や梁(はり)に使った住宅は、年月を経て赤みが増す特有の
風合いもあって、素材にこだわる若い家族を中心に人気を集め、道内の着工件数は右肩上がりで推移。「地産地消」として経済効果にも期待がかかる。
札幌市厚別区で来月、二世帯住宅の完成を控える会社員吉田英紀さん(34)は、二階の梁やロフト部分、柱などに道産カラマツの集成材を使った。
吉田さんはカラマツ材を選んだ理由について「その木が育った土地で、家の材料として使われるのは自然なこと。子供の健康を考えると、産地がはっきりしているという安心感もある」と指摘。「道産材に愛着を持つ人
、潜在的な需要は、まだまだあるはず」と話す。
道によると、カラマツ材を使った道内の住宅着工は二〇〇二年度に九十六棟しかなかったが、〇三年度に二百四十三棟、〇七年度には五百七十九棟と着実に伸びている。
道内で新築される住宅は年間約一万二千棟。道林業木材課は「カラマツ住宅の比率は全体で見るとまだ小さいが、住宅市場が冷え込む中で大健闘だ」と期待を掛ける。
カラマツは戦後、炭鉱の坑木(こうぼく)用として広く植林され、今でも道内人工林(百五十万ヘクタール)の半数を占める。しかし、ヤニが多く曲がりやすい材質が敬遠され、機械を保護する梱包(こんぽう)材や紙などの
原料用チップ向けが主流だった。
転機は十年ほど前。新たな人工乾燥技術が確立され、ヤニを抜き、曲がりにくい材質にすることが可能になった。合板や集成材の加工技術も向上し、普及を後押しした。
ただ、輸入材に比べ、価格が約二割高という弱点もあった。しかし、これについても道木材産業協同組合連合会が一昨年、金融機関などと協力し、建材の半分以上にカラマツなどの道産材を使うと、住宅ローン金利が
優遇される「北の木の家」認定制度をスタート。道も同制度を積極活用する工務店を「推進業者」と認証している。
道産材利用に力を入れる札幌市白石区のヨシケン一級建築士事務所の吉田純治専務は「カラマツ集成材は強度に優れ、木目の美しさもある。輸入材に比べて輸送距離が短く、地球環境にも貢献する」と強調している。