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木造建築のネツト記事
ID :  9101
公開日 :  2008年 10月16日
タイトル
[生き残りへ開発強化 北陸の住宅関連市場 付加価値高め目玉商品投入
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新聞名
富山新聞
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元URL.
http://www.hokkoku.co.jp/_keizai/K20081017301.htm
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元urltop:
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写真:
 
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 北陸の住宅関連業界で新商品の開発が熱を帯びてきた。改正建築基準法などによる住宅着工の落ち込みは、木材や建材、家具など住宅市場のすそ野にまで波及。従来の商品展開では需要をつかみにくく なっているためだ。景気後退色が鮮明になる中、各社は付加価値を高めた「目玉商品」を投入し、縮小市場での生き残りを狙う。
 住宅不況のあおりをもろに受けているのが木材市場だ。石川県木材産業振興協会によると、住宅着工の落ち込みなどで、県内の木材需要は二〇〇六年から〇七年にかけて約十一万八千立方メートルも減少したという 。木造住宅一戸に使う平均的な木材量を約三十立方メートルとすると、約三千九百戸分に相当する。
 こうした苦境を乗り切るため、加賀木材(金沢市)は八月、住宅の壁や天井などに使う国産スギ製の集成材として、国内初の不燃木材「もえんげん」を市場投入した。金沢工大と共同開発したもので、間伐材に不燃薬剤 をしみこませることで、燃焼時に炎が上がらず、有毒ガスの発生も抑えることができる。
 これまで、不燃材は無垢(むく)材が一般的だったが、集成材は寸法の自由度が高く、幅広いニーズが見込める。既に県外の飲食店や公共施設から十数件の引き合いがあり、今後、月間百立方メートルを生産し、地場の 住宅メーカーなどにも拡販する方針だ。
 同社によると、耐震や耐火など住宅性能への意識の高まりから不燃材の市場は着実に伸びており、増江亘一副社長は「間伐材の有効利用にもつながる環境に優しい商品になった。新規需要開拓の切り札にしたい」と意 気込む。
 建材業界では、開発プロセスに工夫を凝らす企業もみられる。三協立山アルミ(高岡市)は、女性が住宅建材の選択、購入権限を持つケースが増えていることに着目し、女性を中心とした開発を進める。
 企画を二十―三十代の女性社員のみに担当させ、四月に業界初となる丸い形状の玄関ドアを発売。木製ドアの雰囲気をアルミ合金で再現するという斬新なアイデアが奏功し、半年間で一万セットを売り上げるヒット商品 となった。
 同社は「省エネや防犯機能など付加価値をさらに高めていかなければ生き残れない」と強調。さらに「建材業界は一年もたてば似たような商品が出てくる」とし、来年度に向けての商品開発を急ぐ。
 住宅の購入に伴って買い替え需要が生まれる家具業界では、高級商品をてこ入れする動きがある。
 インテリア販売などの山岸製作所(金沢市)は、輪島塗など地域の伝統工芸と合わせた家具の投入を計画している。「需要は冷え込んでいるが、質の高い商品を求める客層は底堅い」(尾崎知恵子社長)とし、品質や素 材にこだわり抜いた「高級路線」を強化していく考えだ。
 昨年度の新設住宅着工戸数は石川、富山とも大きく前年割れし、富山は過去十年間で最低の七千二百三十四戸、石川も八千八百五十一戸で低水準にとどまった。
 今年に入り、改正建築基準法の影響が薄れてきてはいるが、石川県内の住宅メーカー幹部からは「景気も減速傾向にあり、好転する材料は見当たらない」との声も。周辺業者への負の連鎖は当分続くとみられ、各業界に おける開発競争は今後、さらに激しくなりそうだ。