ID :
8347
公開日 :
2008年 7月24日
タイトル
[タナ・トラジャ サステイナブルコーヒーを求めて
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新聞名
MSN産経ニュース
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元URL.
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080724/sty0807240807001-n1.htm
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写真:
写真が掲載されていました
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環境に配慮したサステイナブル(持続可能な)コーヒーの栽培が、世界的に注目を集めている背景には、地球温暖化防止に対する関心の高まりがある。1987年設立の国際環境NGO「コンサベーション・
インターナショナル(CI)」(本部・米国バージニア州)によると、インドネシアの国土の大部分で、動植物の連鎖が危機的な状況に置かれているという。
国連食糧農業機関(FAO)によると、同国の森林の減少率は、ブラジルなどと同様に深刻だ。国土に占める森林の割合は90年の61.2%から2005年には46.4%まで減った。未成熟な地方分権が進み、環境意識が
低いまま、無計画な農地転換や違法伐採に拍車がかかったのだ。スラウェシ島でも2年前、違法伐採が原因とみられる地滑りが各地で発生し、数百人規模の犠牲者が出た。
そんな中、2000メートル級の高地まで棚田が広がるタナ・トラジャ県は、水や森林遡源の伝統的な管理システムが比較的うまく機能している。地震や水害による大規模な地滑りは過去10年で1度も起こっていないとい
い、築400年を超える木造建築も珍しくない。
標高約1800メートルの村落、プルプルには200世帯1000人ほどが暮らす。長く自給自足に近い生活が営まれてきたが、コーヒー栽培で現金収入の道を開いた。2年前には、地元の有志が出資し、キーコーヒーから
半額の支援を得て、小規模な水力発電事業(総額1億3000ルピア=約150万円)を始め、ランプに頼る生活からも脱した。
前村長のダニエル・ドゥマさん(59)は「交通の便が悪く、作った野菜を売ろうとしても、市場に持っていくまでに、しなびてしまっていた。コーヒー栽培を始め、生活はずっと良くなった」と話す。