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ID :  8175
公開日 :  2008年 11月21日
タイトル
[住友林業 太陽と風を最大限利用した住宅 省エネ設計で温暖化対策提案
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新聞名
フジサンケイ ビジネスアイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200811210009a.nwc
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元urltop:
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写真:
 
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住宅メーカー各社が、太陽光などの自然エネルギーを活用した“省エネ住宅”の提案に力を入れている。国や地方自治体も温暖化対策の一環として太陽光発電システムなどの導入を促進しており、新築住宅 の省エネ住宅の比率は高まりつつある。
 住友林業は4月、設備メーカーと共同で国内では普及が進んでいない太陽熱給湯と太陽光発電を組み合わせ、最大限に太陽エネルギーを活用する新システムを開発した。給湯は、一般世帯のエネルギー消費量の約3 分の1を占めており、太陽光発電よりもエネルギーの利用効率が高い太陽熱給湯を利用することで、二酸化炭素(CO2)排出量の約60%を削減するだけでなく、給湯によるガス料金も年間約3万円抑制することができる という。
 省エネ住宅といえば、こうした機器を導入するのが一般的だが、住宅事業本部営業企画部の中村雅彦副部長は「設計そのもで電気やガスに頼らない提案を基本にしている」と語る。冬は太陽光を室内に取り込んで熱 を蓄える「太陽の設計」、風の通り道をつくることで夏を涼しくする「風の設計」、植栽などの緑を天然の空調装置にする「緑の設計」を組み合わせ、冷暖房を極力使わずに一年中快適に過ごす「涼温房」により、冷暖房費 を一般的な住宅の4~5割削減する。
 こうした省エネ設計の効果は、住宅ごとに作成する「エコ診断カルテ」でシミュレーションできる。住宅を建築する場所の敷地条件や周辺の住宅密集度、気象などのデータをもとに年間の冷暖房費やCO2排出量などを 算出するシステムだ。
 こうしたシミュレーションは、住宅メーカーを選ぶ上で検討材料になる。建設する際の初期費用はもちろん、生活していく上でかかる光熱費やメンテナンス費用などを明確にすることで、省エネ住宅購入のメリットへの理 解を深めてもらえるからだ。
 パナホームも、今年8月にCO2排出削減量や光熱費、水道代などを家屋ごとに試算する「エコライフ住宅 環境性能シミュレーションソフト」を開発、全国の営業担当者の端末に導入して運用を始めた。居住地域や家族 構成、建物の仕様、エネルギー源などを入力することで、戸別に数値を算出する。さらに、建物の維持に必要なメンテナンス費を30年、60年間のスパンで、一般住宅との違いをみることができる。
 同社は、気密性や断熱性が高く、さらに太陽光発電やオール電化の採用で光熱費を節約する「エコライフ住宅」を推奨。電気温水器「エコキュート」やIHクッキングヒーターを導入するのに100万円ほどかかるが、購入 者のコストメリットを明確に示すことで、受注する戸建て住宅の85%がオール電化を採用しているという。
                   ◇ 【予報図】  ■「新築」から設備普及促進  現段階では、コストメリットが明確でなければ高い費用を投じて省エネ住宅を購入する人は少ないだろう。しかし長期的には、新築住宅に占める省エネ住宅の比率は高まる。
 その背景の一つに、温暖化対策として、国や地方自治体がこうした省エネ住宅の普及を後押ししていることがあげられる。政府は、各家庭への太陽光発電の導入を2020年に現在の10倍、30年までに同40倍に引き 上げる目標を掲げている。これは新築住宅の7割以上に相当する規模で、計画通りに進めば、いずれは新築住宅の大半を省エネ住宅が占めることになる。国内の住宅市場が冷え込む中で、各社が省エネ住宅に力を入れ るのは、付加価値の高い住宅事業で勝ち抜くためだ。
 東京都は、来年4月にも、住宅向けの太陽光利用設備の助成制度を開始する。約90億円を拠出し、太陽電池だけでなく太陽熱設備についても補助することになっており、欧米などに比べて普及率の低い太陽熱設備の 普及促進につながりそうだ