ID :
8056
公開日 :
2008年 6月20日
タイトル
[トトロの樹守った
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20080621-OYT8T00076.htm?from=navr
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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杉並区西荻に住民から「トトロの樹」と呼ばれ、親しまれてきたケヤキの大木がある。伐採計画が持ち上がったが、地元で署名運動が起こり、区が保護に乗り出すことになった。運動の発起人で、作曲家の山中
孝真さん(34)は「トトロの樹は地域の守り神のような存在。ホッとしている」と喜んでいる。(加納昭彦)
ケヤキがあるのは、JR西荻窪駅から徒歩10分ほど。西荻北4丁目の住宅街の一角。樹齢約90年。高さ約19メートル、枝の広さは29メートルもある。
夏はうっそうと緑を茂らせ、冬は葉を散らせた針のような枝を天に向け、凛(りん)としたたたずまいを見せる。小高い丘に立つため、地域のランドマークのような存在でもある。2000年には杉並一大きな株立ちの木とし
て、区の貴重木にも指定されている。
ところが今年4月、建設会社「興建社」(同区荻窪)が土地を購入し、ケヤキを伐採してマンションを建設する計画が浮上。貴重木の解除が申請され、同月、認められた。
計画を知った住民たちは「あのケヤキの大木は地域の文化的な財産。失われたら二度と戻らない」と署名活動をスタート。署名用のノートを店先に置かせてもらうなど、地元商店会も協力。西荻の街をあげての運動に
なった。今月10日には8648人分の署名をまとめ、山田宏区長に提出した。
14日に開かれた区議会定例会の一般質問で、都市整備部の幹部が「ケヤキの保全に最大限の努力をする。土地の取得も視野に入れたい」と表明。近く興建社と協議に入る見通しだ。同社も「地域の声を尊重し、ケヤキ
の保存に協力したい」としている。区有地との交換を軸に保護計画を進めていくとみられる。