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木造建築のネツト記事
ID :  8043
公開日 :  2008年 6月24日
タイトル
[紀州材輸出の社会実験最終年
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新聞名
紀州新聞
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元URL.
http://www1.ocn.ne.jp/~ks-press/080622.html
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写真:
  木材業界の記事です
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 御坊商工会議所が平成18年度から中国大連市で実施している日高港を活用した紀州材輸出入社会実験で、最終の20年度はヒノキの原木を輸出し、大連市の工場で家具をつくり、日本に逆輸入して国内で 販売する。日本で板材に加工して輸出した場合とのコスト差、ヒノキの木目を生かした家具が日本の消費者に受け入れられるかなどを調べ、ビジネス化に向けた課題を検証する。
 田辺市龍神村などで切り出した約80年生のヒノキの原木(長さ4メートル、直径22~30センチ)105本、25立方メートルを17日に和歌山市の荷役業者に運び、くんじょうなどを済ませ、21日に海上輸送、27日に大連 港に着く。原木は御坊商工会議所が買い上げ、大連市の遼寧成大貿易発展有限公司(商社)に販売。同公司が同市で家具工場を経営する邦人企業の増本木業有限公司に売り、加工して家具をつくる。
 家具は洋服ダンス、整理ダンス(2種類)サイドボードなど6種類を1セットに10~15セットつくり、年内に日本へ逆輸入する。家具はすべて御坊商工会議所が買い上げ、国内の家具メーカーに売り、全国の家具販売店 等で販売する。セットではなく、ばら売りし、価格は国内で一般的に売れ筋といわれる家具を参考にひとつ4万円程度で調整する。ヒノキの節目や木目をそのまま生かした製品をつくり、木の美しさや良さを日本に消費者 にアピールする。
 19年度は遼寧成大にヒノキ、スギの原木100立方メートルを輸出して中国市場へ卸し、増本家具には日本で加工したヒノキの板材13立方メートルを輸出して7種類の家具を試作し、大連市内の増本家具7店舗で展示 販売。今年度は遼寧成大に輸出した原木を増本家具に卸し、日本で加工して輸出した場合と、中国で加工した場合のコストの差や、日本へ逆輸入した場合の課題などを探る。秋には間伐材の輸出も計画している。
 社会実験のため中国への木材販売価格は安く抑えているが、本格的なビジネスになった場合に採算ベースに乗るかは未知数。木材の伐採や搬出、輸送、輸出入などにかかるコストをどう抑えるか、日本側と中国側の 価格設定が折り合うか、中国側の求める必要な木材量を安定的に確保、供給できるかなど、ビジネス化に向けて課題は多い。社会実験は日高港振興対策として市の日高港振興事業補助金を活用している。