公開日 :
タイトル
[リサイクルへの挑戦】ミサワホーム・再生素材
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新聞名
フジサンケイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200805190027a.nwc
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元urltop:
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写真:
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まるで天然木
建築現場や工場から発生した廃材。容器包装材や家電などに使われたプラスチック。再資源化して有効活用が難しい材料が、天然木のような素材へと蘇生(そせい)し、住宅や公共施設のデッキ、フェンス、ベンチなど
に相次いで使用されている。その正体はミサワホームの「M-Wood(エムウッド)2」だ。
同社は2つのリサイクル素材を実用化している。自社が販売する住宅の浴室やサッシなどで採用しているのがエムウッド。これは自社工場での製材時に発生した針葉樹の端材をミクロン状にパウダー化し、樹脂を混ぜ
て成形した製品。天然木と異なり水や湿気に強く、安定した品質を維持できる点が売り物としている。これをさらに進化させたのが100%リサイクル素材エムウッド2だ。
製品化は2001年。自社工場以外で発生したものを原材料として取り扱うため、技術開発にはさらなる苦労を伴った。だが開発の改良を重ね、エムウッドと同様の性能を確保。ミクロン単位の木粉を樹脂が包み込む構
造のためシロアリの害がないことなどから、ミサワホームが販売する住宅のデッキに採用していった。
ただ、当初は表面塗装だったため、強い雨や紫外線を浴びる部位に関しては、年月を重ねることによって色があせるという問題が顕在化する。
このためミサワホームは、製造法の変更に着手。微粉状の木とプラスチックに、細かい粒子同士をつなぐ安定剤を加えるという方式から、その段階で色を出す顔料を配合するという手法を導入した。熱によってドロド
ロ状となった混合物は、押し出し成形によって用途に応じた形となる。
耐候性が大幅に向上した“新”エムウッド2は、04年に登場。「環境に優しく、ほぼノーメンテナンス。また、ささくれなどが発生しないため安全」(商品開発本部の田中修建材開発部長)といった部分がアピールポイントと
なって外部での採用実績も徐々に増えている。
初の大型受注となったのが、05年に開かれた愛・地球博。デッキの回廊延べ1万9000平方メートルのエムウッド2が採用された。増産によってコストダウンが進んだことにより、公的な施設以外からの受注も目立ち始
めている。民間で初めて採用したのが京王百貨店。CSR(企業の社会的責任)の一環として、屋上のデッキに設置した。
また、リヴィエラリゾートが運営する逗子マリーナのデッキ部にも採用されている。従来は天然の木が採用されていたが、潮風によって老朽化したため、ヨットのオーナーから「汚い」という文句が続出。エムウッド2に切り
替えたそうだ。
省資源国家の日本にとっては、廃棄物を減らす一方で、耐久性に優れた材料を積極的に活用する必要がある。エムウッド2は、こうした課題を克服するのに適した素材でもある。