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公開日 : 
タイトル
[平等院鳳凰堂の木製模型再現
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新聞名
中国新聞
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元URL.
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200606290015.html
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元urltop:
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写真:
 
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呉市音戸町波多見、無職岡棟尊法さん(65)が、国宝の平等院鳳凰堂を15分の1サイズの木製模型で再現した。パーツはすべて手作りで、11カ月かけて完成させた力作。月末まで呉市中通の商業施設「ハ ウディ・プラザ」に展示中で、実物そっくりの精巧さが買い物客らに感動を与えている。 岡棟さんは四十年近く製缶工として勤め、五年前に定年退職した。長年鉄を扱ってきたが、「これからはぬくもりのある木を使って、 物づくりをしたい」と決意。独学で模型作りを始め、高さ二・四メートルの五重塔を完成させた。
 「日本古来の建築物は姿が美しく、構造的にも優れている。次は国宝に挑戦したい」と昨年七月、平等院鳳凰堂の制作に取り掛かった。自宅横の約二十平方メートルの納屋が作業場。ほぼ毎日没頭し、作業が十時間を超 す日もあった。
 平等院鳳凰堂の模型は中堂と翼廊で、幅三・五メートル、高さ一・二メートル、奥行き一メートル。ヒノキやサクラなどの約一万五千個の木片を組み合わせ、翼を広げたような建築美を表現している。
 設計図などはなく、写真だけを頼りにこつこつ制作。かわらは一枚一枚張り付け、独特な柱や飾りも彫刻刀とのこぎり、きりだけを使って忠実に模した。当時の宮大工の気持ちをイメージしながら細部にまでこだわり、制 作には約十万円を費やした。
 「全国各地の神社や仏閣、城などを手掛けてみたい」と意欲を燃やす岡棟さんだが、「納得のいく作品はまだまだできない。一生修業する気持ちで、技を磨きたい」と表情をキリリと引き締めた。