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ID :  774
公開日 :  2006年 4月13日
タイトル
[特殊シートで耐震強度向上 木造住宅用技術、全国が注視 柱・開口部を補強
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060413&j=0024&k=200604139403
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写真:
 
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構造設計・計算などのJ建築システム(札幌、手塚純一社長)が独自開発した木造住宅用の耐震技術が、注目を集めている。マンション耐震偽装問題を契機に、一般住宅の構造にも関心が高まっているため。
同社は柱の要所に特殊な耐震シートを張り、一戸建て住宅の強度を飛躍的に高める商品を軸に、全国に販路を広げている。  同社が開発した耐震シートは、防弾チョッキや航空部品素材に活用されるなど、強度と耐熱性に優れたアラミド繊維製。これを幅十センチに加工し、独自の接着剤で柱同士の接合部に張るだけで、四トンの引っ張り強 度にも耐えられるという。一棟当たり、約五万円で補強できる価格帯に抑えた結果、二○○四年に市場投入して以来、全国で千棟以上に採用されている。  同社はシートを利用し、耐震シートを張ったL字形の木製の枠を窓などの四つ角に配置する「耐震開口フレーム工法」も考案。これにより、地震で崩れやすい窓や玄関、シャッターなど開口部の強度が大幅に向上する。
標準的な二階建て住宅で一棟当たり約三十万円で組み込めるという。  阪神・淡路大震災では、犠牲者の多くが開口部の広い店舗兼住宅の住人だった。このため、同社の新工法は関西方面の新築物件で採用例が増加。また、木造住宅に対する耐震基準が、二○○○年の建築基準法改正で 大幅に強化された経緯もあり、補強を含めたリフォーム市場での支持も広げている。  耐震シートや新フレーム工法は既に特許取得済みで、これまでに独立行政法人建築研究所の耐震技術コンペで国土交通大臣賞を受賞するなど、技術面での評価も年々高まっている。同社は現在、契約を結んだ全国の 工務店やハウスメーカーを通じて普及に努めており、手塚社長は「木造住宅の標準仕様に高めたい」と話している。 <写真:アラミド繊維製のシートで補強した耐震開口フレーム。手塚社長は「低コストで生命と財産が守れる」と強調する>