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ID :  772
公開日 :  2006年 4月13日
タイトル
[伐採作業に就いた経験がある人の嘆き
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新聞名
秋田魁新報
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元URL.
http://www.sakigake.jp/servlet/SKNEWS.Column.hokuto?newsid=20060413ax
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元urltop:
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写真:
 
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「秋田では山持ちといっても大半が農業主体の零細林家。若い人の中には自分の山の境界すら分からない人が増えている」。若いころ、伐採作業に就いた経験がある能代市の著述業野添憲治さんの嘆きだ ▼本県は森林が県土の7割を占めながら、民有林を中心に山の荒廃は激しい。間伐されない杉林では、木々が枝葉を横に伸ばせず、光合成が十分にできない。いきおい上へと伸びざるを得ず、やせ細る。見た目には緑 美しい山々も、分け入れば樹木のうめきが聞こえる ▼林野庁が「新生産システム」事業のモデル地域に本県全域を含む全国11地域を指定した。経営の集約化や生産・流通コストの削減を図り、住宅メーカーなどのニーズに応じた安定供給を目指す。安価な外材に押され っぱなしの国産材の生産回復が狙いだ ▼山を動かす絶好の機会となろう。需要が拡大し林業家への還元が増えれば山の手入れも進む。鍵は川上から川下までをどうつなぐかであろう。生産者と消費者が、互いの顔が見える関係にある流通システムづくりが望 ましい ▼国産材がなぜ良いのか、押し付けるだけでは消費者は理解できない。生産、加工、流通現場に求められるのは、家のつくり手や施主との対話を通じ、消費者が欲しているものを追求する姿勢だ ▼都市部では、必ずしも無節材にこだわらない消費者が増えている。表面的な美しさだけではなく、機能や構造の美。そんな木の文化を本県が率先して全国に発信できないものか。