ID :
7002
公開日 :
2008年 4月 3日
タイトル
[写真/ミモザは「お洒落な花粉症」
.
新聞名
JanJan
.
元URL.
http://www.news.janjan.jp/column/0804/0804020086/1.php
.
元urltop:
.
写真:
.
ワイフの親友が日本から遊びに来ました。とても楽しい方で、沢山の想い出ができましたが、そのなかから印象深かった「お洒落な花粉症」についてのお話しをします。
日本からワイフの親友が遊びにやって来ました。旅慣れした活発なご婦人です。並外れた好奇心と、なにごとにも直ぐに感動する素直な気持ちの持ち主ですから、彼女の旅の話しはじつに面白く、楽しく、明るさに満ち
ています。
話しが面白すぎていつの間にか、彼女が行く旅先はすべてが楽しいところのような錯覚を覚えてしまいますが、冷静に考えてみると、彼女がいるとすべてが楽しいところになってしまうのです。彼女がポルトガル・ブラ
ガのわが家に滞在した2週間は、私たちにとっても忘れることのできない想い出が詰まった時間になりました。
ミモザの花(2月中旬ブラガ近郊で)
滞在最後の夜、ポルト酒のグラスを傾けながら歓談するうちに、花粉症の話題になりました。日本では、彼女も、うちのワイフも、強烈な花粉症の持ち主で、同病相憐れむ関係にもありました。ところが、ポルトガルでは
3月に入ったというのに、花粉症のかけらも感じなかった、と2人が大喜びしているのです。
確かにポルトガルでは花粉症の話をあまり聞いたことがありません。ポルトガルに6年間住んでいるワイフでさえ「ミモザと麦の開花期(ミモザは2月頃、麦は5月頃)に僅かながら花粉症らしきものを意識したことはある
けど、ポルトガルには花粉症が無いとばかり思っていた」というほどです。
ミモザ咲く道(2月中旬ブラガ近郊で)
そんな話を聞いて、彼女は切り出しました。
「そんなお洒落な花粉症だったら、私も罹ってみた~い」
ミモザや麦は「お洒落な花粉症」、日本に吹き荒れるスギは「野暮な花粉症」とは驚くべき新説です。貴重な建築資材として活躍してきたスギには気の毒な気がしますが、やっぱり「樹の毒」だから仕方ないのでしょうか。
ミモザはヨーロッパを代表する花の1つで、南フランスやイタリアではなかなか人気がある木です。ミモザのお祭りまであります。大木のくせして、小さな粟粒状の黄色い花を乱れるほど咲かせているのがミモザの魅力な
のです。麦はもとよりヨーロッパ人の主食の原料です。人気があれば、なにごとも大目に見られる--どこかの総理大臣にも聞かせたい戒めですね。