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ID :  6637
公開日 :  2008年 3月 8日
タイトル
[◆「木の城」なぜ破たんしたのか?
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新聞名
札幌テレビ
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元URL.
http://www.stv.ne.jp/news/item/20080306191547/
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元urltop:
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写真:
 
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木の城たいせつは"百年持つ家"を売りにしてきました。なぜ、経営破たんしたのか?背景には「異端」ともいわれる独自の経営方針が見え隠れしています。
札幌市内の住宅街。
(山内記者)「ここですね」 木の城たいせつの山口社長の自宅もまた"木の城"でした。
(山内記者)「ごめんください。返事はありません」 かつて、この家の居間でインタビューに答えたこともあった山口社長。札幌市内で自己破産の申請に向けた準備作業に追われているといいます。
(山口社長)「孫の目を合わせてね横の関係。目と目を合わせてね孫と対話しよう」 独特の語り口と独創的な考え方から"カリスマ"ともいわれた山口社長。その山口社長の著書「もったいない」。この中で、山口社長は自らを"異端者"と表現。さらに、無駄をはぶく「もったいない精神」こそが山口家の伝統 だと記しています。
こうして作られたのがコンクリート製の高い基礎の上に四角い住宅をのせた独特のスタイルを持つ"頑丈百年の家"さらに、灯油の消費量が4分の1で済むという簡易ペチカが山口社長の自慢でした。
(山内記者)「ありました、木の城のモデルハウスです」「社員がいないということで立ち入り禁止になっています」 札幌の住宅展示場です。デザインを重視したモデルハウスが並ぶ中で木の城は、かたくなに四角いデザインを守り通しています。
(展示場運営会社・岡本誠さん)「どうしても四角い箱のイメージになるので顧客の好き嫌いが出る」 住宅各社がデザインや機能を競う中で取り残された形となった木の城。売り上げは2002年当時と比べ半減。そこに、建築基準法の改正が追い討ちをかけました。
木の城はより頑丈な家にするため3階建てになっています。しかし、法律の改正で一般の住宅に比べて審査がより厳しくなり、着工の遅れによる顧客とのトラブルも目立つようになっていました。
(展示場運営会社・岡本誠さん)「木の城たいせつは3階建てが主流だったので(法改正の)影響をもろに受けてしまった」 こうした状況に金融機関などからの支援も得られなくなり、資金不足に陥りました。政界と業界の異端者が顔をあわせてから4年。"100年持つ家"のスタイルを変えず異端であり続けたことがあだになったという皮肉な結 末を迎えました。