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ID :  682
公開日 :  2006年 4月 2日
タイトル
[幼稚園や小中学校舎 木造復活…文科省も後押し
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20060401ur01.htm
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元urltop:
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写真:
 
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 群馬県高崎市の私立長野幼稚園は2年前、木造で2階建ての園舎を新築した。床にはコルクを敷いているため、歩くと心地よい弾力がある。「子どもは遊んだり、走ったりして、しょっちゅうけがをするのが当 たり前。木製の建材なら転んだときのショックを和らげる効果があります」と園長の原徳明(とくみょう)さんは話す。  それまでの園舎が老朽化したため建て替えたが「木造以外は考えなかった」と原さん。住宅建材から揮発する化学物質でめまいなどが起こる「シックハウス症候群」が問題になっていたからだ。教育界では「シックスクー ル」という言葉も使われている。木材は原因物質が少ないとされ、子どもたちの健康を最優先しようと考えた。  ただ、木造建物は塗料の塗り替えなど、鉄筋コンクリートに比べて維持費がかかるという。火災保険の費用もコンクリートに比べると約3倍だ。それでも原さんは「木造ならではの雰囲気や、子どもの安全対策を考えると 、決して高くないと思います」。木材の大半を県内産にし、県から補助金を受けることもできた。  福井県越前市の市立白山小学校も3年前、鉄筋コンクリートから木造に建て替えた。2階建ての新校舎は、冬でも室内が底冷えしなくなった。木材はコンクリートより熱伝導率が低く、断熱効果が高いためだ。  「窓から入ってくる太陽光で、木が明るく輝きます。ヒノキのにおいが漂い、子どもも木の壁を触っています」と教頭の岸本正一さんは話す。 ◎  文部科学省は木造校舎の建設を積極的に進めている。2004年には、学校施設で木材使用を促進するよう、各県の教育委員会に通達を出した。学校関係者などを対象に「木材を活用した学校施設に関する講習会」な ども全国で開催している。  同省によると、1980年代半ばに新築された公立の小中高校の校舎はほとんど鉄筋コンクリートで造られていたが、2004年度には全体の7%が木造になった。新築だけでなく、校舎や園舎の天井や床、壁だけを木材 に変えるという改修も目立つ。  林野庁も「国内の木材を使ってもらえれば、わが国の森林整備につながるメリットもあります」と勧める。  子どもと環境の関係を研究する研究者などで組織されている「こども環境学会」事務局長の中山豊さん(都市計画)は「学校生活の質の向上が重視されるようになり、木材校舎が増えてきたのでは。子どもが木材と触れ 合うことは、触覚の発達にもつながる。教育現場にもっと木を取り入れてほしい」と話している。