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ID :  648
公開日 :  2006年 3月29日
タイトル
[シダレザクラ伐採に惜しむ声 高遠・旧馬島家庭園
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新聞名
長野日報
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元URL.
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=3096
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元urltop:
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写真:
 
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さくらのまち、高遠町で、国道152号高遠バイパス建設に伴い伐採される旧馬島家住宅(県宝)庭園の古いシダレザクラを惜しむ声が上がっている。現在は、同住宅と国史跡の高遠城跡に挟まれた建設予定地 にぽつり残されているが、近日中に姿を消しそうだ。
 シダレザクラは高さ約15メートルで、樹齢は推定100―120年。同住宅は高遠バイパス東高遠工区(1月着工)の建設地にかかるため、町教育委員会が今年度、住宅と庭園を北側へ約10メートル移転移設したが、この 古木などは「移設費用が高く、移設しても枯れる可能性が高い」と伐採が決まった。
 移設工事が進み、サワラやヒノキ、スギなどの木々がうっそうとしていた庭園に大きなシダレザクラが姿を現すと、住民から「もったいない」「今年も花を咲かせてあげたい」と声が上がった。
 28日には信州大農学部の伊藤精晤教授らが「景観木になる。道路の緩衝帯に残せないか」と県伊那建設事務所に打診。同建設事務所は、道路の設計上残すことは困難とし、「地元の意見を聞き経過を大事に進めてき たので、この段階での話は残念」と伝えた。
 シダレザクラは根のほぼ半分が地表に露出しており、移設には根回しなど3―5年の準備期間が必要。町は「高遠はさくらのまち。取り木などで何とか子孫を残したい」としている。
 町観光協会によると、町内のシダレザクラの古木は勝間薬師堂など神社仏閣にゆかりある場所に点在するが、個人住宅では珍しいという。
 町に保存を嘆願した堀井英雄さん(84)=東高遠=は「木々が密集していて気付かなかったがとてもいいサクラ」と話し、シダレザクラの下に立ち、「切らないでくれ、と頼まれている気がする」と背の高い木を見上げて いた。