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ID :  5361
公開日 :  2007年 11月12日
タイトル
[[コラム]「住宅着工の落ち込み」―法整備と企業モラ
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ル―
新聞名
IBTimes
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元URL.
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/071114/14012.html
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元urltop:
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写真:
 
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住宅着工の落ち込みが大幅である。7月は6月の年率135万戸ベースから95万戸と約30%、8月はさらに75万戸と20%の落ち込みを示し、前年比では40%以上低下を示している。最大の原因は6月20日から施 行された改正建築基準法にある。
 この法改正の背景には耐震計算偽装問題があることは言うまでもない。家計の最大の買い物である住居に関する偽装行為は許しがたい犯罪である。借金までして買った住居に住むことが出来ないばかりでなく、建替 えをするには更に巨大な費用が掛かる。構造計算の厳格化の法改正は当然である。法改正は経済行動に変化をもたらす。
 第一に、7月の落ち込みは改正法が実施される前の駆け込み需要の反動である。
 第二は、審査の厳格化による審査期間の長期化であり、従来、20日程度で完了していた審査が70日もかかるケースもあるようである。
 第三は、建材の耐熱性偽装問題も加わり、生産・在庫の調整が必要になっている。
 第四に、着工の遅れは家具、家電製品の買替需要に影響することは言うまでもない。
 たまたま米国のサブプライム問題が絡み、住宅保有と借入リスクが見直されている。
 米国人口は引き続き増加しているが、人口減少が予測されるという視点からは日本の方が影響は大きい。住宅着工の落ち込みはやがて底打ちするにしても、元のレベルに戻るのはそう簡単ではない。法改正以上に業 界のモラル向上と公的部門の効率化が不可欠である。
 10月11日付のこのコラムで、家族構成に適合する住み替えをよりスムーズにするため、米国のサブプライム問題を教訓に、住宅と負債をセット売買し、住宅取引の流動性を拡大させるメカニズムの整備の必要性を取 り上げた。日本の住宅は数の上では既に余剰状態にある。住宅の質向上と家族構成に最適な住居の選択肢を増やすことが日本の優先課題なのである。