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木造建築のネツト記事
ID :  4644
公開日 :  2007年 9月 6日
タイトル
[100年前「匠」の大工道具発見 岡谷の浜さん宅
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新聞名
長野日報
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元URL.
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=8257
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写真:
 
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岡谷市山下町1の浜泰之さん(30)宅で、約100年前に使われていたとみられる大工道具約30点が見つかった。現在では見られなくなった道具もあり、建築の専門家も驚くほどきちんと手入れされ、さびのな い状態で保存されていた。
 大工道具は4代前から続く家を取り壊す際、屋根裏で見つかった。積もったほこりの中に長さ66センチ、幅27センチ、高さ18センチの木箱があり、開けてみると、大工道具だった。各種ノコギリやカンナ、ノミ、キリなど が、1度煮たとみられる油や紙で守られ、ほとんどさびのない状態だった。
 浜さん宅の工事に携わる大工棟梁(とうりょう)の三井一夫さんによると、道具の中には、精密機械のようにまっすぐ引く技術がないと曲がってしまう胴突きノコギリをはじめ、木のねじれを測る下端定規や1枚刃のカンナ など、現在ではほとんど使いこなせない物もある。「これを使っていた人は相当の技術があり、細かい仕事をする人だったと思う。それにしても手入れをすれば長持ちするということか」と、建築関係者の目を引いている 。
 浜さん宅では、4代前の当主・勝次郎さんが、大工だったという話が伝わっている。家も勝次郎さんの時代に建てられており、1本の太い梁(はり)が東西に貫く木造建築だった。3代前の当主・新一郎さん以降は大工関係 ではないため、持ち主は勝次郎さんだったとみられる。
 家族は、木箱の中に一緒に入っていた新聞が新一郎さんの時代のものだったため、新一郎さんが父が大切にしていた道具を保存したのではないかと推測する。一方で、建築関係者は「仕事を辞める時、愛着がある道 具を保存したか、仕事で使わない期間に保存してあったものが残ったか」と職人気質から推測する。
 保存の真意は不明だが、黒光りした道具の柄や研ぎ澄まされた刃は、昔の人の息遣いと道具を大切にした気持ちを伝えている。浜さんは「先祖は後世に残そうと思って保存したのではなく、当たり前に自分の道具を手 入れしていたのだと思う。それが今もきれいに残っていることはすごい。できるだけ保存したい。貴重な物なら、多くの人に見てほしい」と話している。