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ID :  4551
公開日 :  2007年 8月24日
タイトル
[気仙大工に弟子入りを 「発祥の地」で体験会
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新聞名
東海新報
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元URL.
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws2815
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元urltop:
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写真:
 
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陸前高田市小友町の市民の森地内にある「気仙大工左官伝承館」や「杉の家はこね」の指定管理者となっている箱根振興会(佐藤文雄会長、会員約四十人)は、JRなどの観光客誘致事業・北東北デスティネー ションキャンペーンに呼応し、初めてとなる「気仙大工への弟子入り体験会」を随時開いている。「気仙大工の歴史を学んだり、木工作が楽しめるイベントに多くの来場を」と呼び掛けている。
 北東北デスティネーションキャンペーン(北東北DC)は、岩手を含む三県とJR六社が旅行エージェントの協力を得て全国へ発信している国内最大規模の観光キャンペーン。五回目を迎えた今年は「歴史文化」をテー マに、七月から九月まで繰り広げられている。
 箱根振興会はこのキャンペーンに呼応し、気仙大工の歴史と文化に触れるメニューを企画。「気仙の大工さんに弟子入り体験」と銘打ち、市内外から小学生以上の参加者を募っている。
 体験メニューは▽基本コース=気仙大工の歴史や文化の説明、大工さんの仕事体験(一時間~)=六百円▽応用コース=基本コースのほか木工作品の製作など(二時間~)=八百円~千六百円――の二コースを用意 。
 具体的には、伝承館を管理する黄川田巳之助さんが施設内を案内しながら気仙大工の歴史を詳しく説明するほか、大工道具の使い方なども解説。その後、参加者には杉の家で大工さんの仕事を体験してもらう。
 箱根振興会のメンバーには気仙大工のOBも多く、会員が指導にあたることになっている。自由に木工作を楽しみたい場合は別途費用がかかる。
 このほか、伝承館では縁側で地元気仙茶の抹茶と和菓子が楽しめる「一服セット(五百円)」を販売。茅葺き屋根の縁側で、周囲の景色を楽しみながら渋いお茶が味わえるとあって好評となっている。
 気仙大工は同市小友町が発祥の地と言われている。古くは江戸時代に農民が生活を支えるため建設関係の仕事に従事し、次第に独自の技能集団を形成した。家大工でありながら神社仏閣の建設も手がけ、建具や彫刻 までこなす高い技量を持ち合わせていたことから、全国的に知られるようになった。
 伝承館は気仙大工左官の優れた建築技法を後世に伝えるため、平成四年七月にオープン。明治初期の気仙地方の民家を想定し、当時の建築様式で建築。材料は全て気仙杉などの地元材を用いた。囲炉裏のある母屋 は木造平屋建て茅葺きで、大黒柱や梁などには太い材料を使用した。
 杉の家は気仙材の需用拡大をネライに昭和六十二年に建設。「市民の森」のシンボル施設でもあり、来訪者が木の温もりを肌で感じることができるよう、木工作体験ができる部屋が設けられている。
 黄川田さんは「北東北DCに関係なく、誰でも気軽に訪れて木工作を楽しんだり、気仙大工に触れてほしい」と話している。
 弟子入り体験への申し込みは、体験希望日の二日前までに気仙大工左官伝承館(電話56・2911)へ予約する。施設の開館時間は午前九時から午後四時までで、毎週水曜日が休館となっている。