ID 164
登録日
2006年 1月25日
タイトル
花粉作らないスギを開発 県林業試験場
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/DAILY/20060126/20060126_002.html
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元urltop:
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写真:
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近年、スギ花粉症患者が急増していることから、林業面からも対策を講じようと研究していた県林業試験場(上富田町)は、富山県などで発見された花粉を作らない「雄性不稔スギ」から、温暖な和歌山県の
気候に合った苗木の開発に成功した。関係者は「1年でも早く普及できるようにしたい」と話し、8~10年後の市販を目指している。
「雄性不稔スギ」は、新潟大学の平英彰教授が富山県林業試験場在籍中に発見した。通常通り雌花と雄花は付けるが、正常な花粉を生産する能力に欠けている品種。
これまでに新潟、富山両県に加え福島、神奈川、茨城の計5県で18個体が見つかっている。しかし、ほとんどが日本海側の寒い地域だったため、和歌山県林業試験場は2001年ごろから、富山県、新潟大学と共同で、和
歌山県に合った苗木の開発に取り組んできた。
研究では富山県産「雄性不稔スギ」のクローンと和歌山県産の形質と成長に優れた木を人工交配。さらに交配種同士を交配して2代目を作った。現在、2代目の苗木が30~50センチに成長している。掛け合わせの関
係で「雄性不稔スギ」になるのは4分の1で、今月から苗木の選抜を始めた。選抜後は成長するのを待ってクローンを作る予定だ。
栗生剛副主査研究員は「選抜した苗木の成長を待たなければならない。クローンを作れるようになるのに5年から8年の時間がかかる。気の長い作業になるが、花粉症に悩む人のためにも頑張りたい」と話している。
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