ID 1863
登録日
2006年 10月18日
タイトル
京都の名刹「実相院」の修復 麻生圭子さんと地元企業立ち上がる
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新聞名
フジサンケイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200610180029a.nwc
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元urltop:
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写真:
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老朽化が進む京都・岩倉の名刹(めいさつ)、実相院(京都市左京区)の修復構想が本格的に動き出した。修復を支援しようと、京都市在住のエッセイスト麻生圭子さんを中心に、地元企業が協賛するコンサー
トなどが開かれ、収益金が寄付されている。順調に進めば2008年にも修復工事が始まる見通しだ。
1229年に創建された実相院は約280年前に大宮御所から移築された。「岩倉御殿」と呼ばれ、皇族ゆかりの人が住職を務めた門跡寺院で、客殿には狩野派のふすま絵や障壁画、杉戸絵が残る。
だが、瓦ぶき屋根の重みで建物も傾くなど老朽化が著しい。実相院は独自に修復計画を検討してきたが、国や府の文化財指定を受けていないため公的な補助がなく、数億円かかる工事費を調達できない。現在、26本
の丸太や鉄柱で建物を支える応急処置をとっている。
麻生さんが実相院の修復計画を知ったのは04年。当時は寺にまつわる講義や読書会などの有料講座で寄付金を集めていたが、「多くの人に惨状を知ってもらいたい」と客殿コンサートを思いついた。
そこで友人や経済界のネットワークを通じてボランティアコンサートを企画。今年5月にはPHP総合研究所などの協賛を得て、チェリストの溝口肇さんを招き、客殿で1回目のコンサート「音のしずく、心の調べ」開催に
こぎつき、大成功を収めた。
今月9日には、オムロンや吉忠など京都の大手企業が協賛。アコースティックギターの人気デュオ「ゴンチチ」の調べと、華道の未生流笹岡次期家元、笹岡隆甫さんの献花や名月を同時に楽しむ2回目のコンサートを開
いた。
来春以降にもコンサート開催を検討しており、収益金はすべて修復費用として寄付するという。
麻生さんは「実相院のある岩倉という地は平安時代、『もののけ』につかれたお姫さまが心を癒しに訪れた里にもなった」と説明。「美しい景色を眺めながら心に響く音楽を聴いて、心地よい時間を過ごしてもらえれば」と
コンサートへの来場を呼びかけている。
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