1. HOME
  2. 木の情報発信基地Top
  3. 8.樹木
  4. 樹木・植樹・木のニュースアーカイブ TOP
ID 15825
登録日   2009年 11月23日
タイトル
死ぬまでに5000本は見たい――巨樹サイトの絶えない愛-2
.
新聞名
ASCII.jp
.
元URL.
http://ascii.jp/elem/000/000/477/477456/
.
元urltop:
.
写真:
 
.
 日中両国の若者が友好を深める「日本青年訪中代表団」が3月下旬、1週間の日程で中国を訪れた。地域間交流として岐阜県も、農林業関係者を中心に25人の代表団を編成。記者も一行に参加し、県の友 好提携先の江西省などを訪ね、交流の現場を見た。
 古びたマンションと高層ビル、大量の自転車と高級車が入り交じる江西省の省都・南昌市。団員の1人、大垣市で花農家を営む林暁朗さん(31)は滞在初日、バスの車窓から街を眺め「花が少ない」と感じていた。
 午後の訪問先は江西省の花き関連施設。「どんな農業をしているのか」。期待を胸に、市中心部から南へ約50キロ離れた研究所へ向かった。
 研究所の敷地面積は1万2000ヘクタール。岐阜県内の全耕地面積の5分の1にあたる広大な土地に、見渡す限りの茶畑が広がっていた。
 案内役の夏裕輝さん(27)は「メーンは、お茶と養蚕に使うクワ、ツバキなど都市緑化用の苗木」と説明。傘下の国営企業関係者は「家庭用の苗木生産を進めたい」と語った。
急成長を遂げ開発が進む南昌市街。市場としての期待は高まる  同省で栽培するのは花木が中心。一方、日本一の生産量を誇るバラ苗を筆頭に、県内の花き産業の主力は鉢物だ。全国に花を出荷する岐阜花き流通センター農協の静谷英作さん(34)は、岐阜と同省で補完関係にあ る花き栽培の現状を目の当たりにし、初めて「対中輸出」という考えが頭に浮かんだ。
 そもそも土のついた鉢の輸出は検疫のため不可能。これまでは海外市場に思いを巡らせたこともなかった。しかし、今回の視察で、検疫を何とか通す方策を探る意欲が出てきたという。「花が生活の一部という意識がま だ薄い」とも話す静谷さんだが、年13%前後の経済成長を続ける同省は巨大市場となる可能性を秘める。林さんも「将来は大きな市場になるかも」と期待する。
 県がビジネスの基盤と位置づける人材交流は、ここにきて本格化している。4月5、6両日には、江西省花卉(かき)協会の代表団が来日して県内の農家を視察。7月には江西省の農業研修生を県内で迎える予定だ。
 交流からの展開を期待するのは、日本側の花き産業だけではない。「農業、工業の交流も順調。さらに友好を深めたい」。江西省主催の歓迎宴で、同省外交部門幹部の王雨森氏は笑顔を見せた。
 会場には、昨年5月から半年ほど美濃市の県立森林文化アカデミーで学んだ李新さん(41)の姿も。李さんはアカデミーの松本武准教授(39)=現・東京農工大講師=や学生と旧交を温め「林業の機械化や環境意識の 高さ、日本に学ぶことはたくさんある」と語った。
 一方の松本さんは「中国は林業の歴史も古く、日本の知らない技術がある可能性は大きい」と指摘。県森林組合連合会の宮野晃好さん(32)は「若者の意欲的な姿勢を学びたい。農村部などありのままの姿を見て、将来 的にお互い支え合えたら」と今後を見据える。
 未来を描く若者の交流は、まだ始まったばかり。地域間交流団長を務めた外務省地方連携推進室の小泉崇室長は、訪中をこう締めくくった。「もう道はできている。若者に道を広げてもらえれば」 ◆記者から   初めての中国訪問は驚きの連続だった。強引な割り込みや信号無視。バスが中央分離帯をはさんだ対向車線を逆走している姿もあった。
 内陸の南昌の発展ぶりも目を見張ったが、料理店で若い店員に英語はまったく通じず、中国社会の格差も感じた。
 団員の多くがそう語ったが、「みんな友好的。いい関係が築けると思う」とも。今回まかれた種が、どんな花を咲かせるか楽しみだ。
..

このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。