ID 1312
登録日
2006年 7月 9日
タイトル
ケヤキ受難、相次ぐ 生木にくぎ打ち/無断で剪定 飯能・所沢
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新聞名
埼玉新聞
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元URL.
http://www.saitama-np.co.jp/news07/11/02x.html
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元urltop:
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写真:
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飯能市が管理する同市東町の玉宝公園のケヤキに、市が樹名板をくぎで打ち付けていたことが分かった。「生木にくぎが打ち込まれている」との市民の指摘がきっかけで発覚、市はくぎと樹名板を撤去した。
一方、所沢市緑町の街路樹のケヤキ三本が、マンション工事中の施工業者により、市の承認を得ずに無断で剪定(せんてい)された。高さ約十三メートルあったケヤキがおよそ半分の六メートルほどになった。
市の承認を受けずに剪定するのは、道路法違反に当たる。業者は市に謝罪した。
樹名板は撤去されたが、くぎ2本(矢印)が打ち付けられたままの樹木=飯能市東町の玉宝公園
飯能市内の公園を管理する同市都市計画課によると、樹名板は「木の名前をもっと知りたい」という市民の要望に応えて設置している。
通常、樹名板は針がねを穴に通して幹回りに緩めに縛ってぶら下げるか、枝に下げて設置する。
今回の樹名板は今年五月、玉宝公園のケヤキの幹回りが予想以上に太く、枝が高い位置にあるため、担当職員が自らの判断でくぎを購入。打ち付けたという。
同課の調べでは、くぎを打たれたのはケヤキ、プラタナスなど同公園の樹木九本。近くの市管理の前田公園でも十本見つかった。くぎの総数は三十八本。くぎの長さはいずれも約三センチ。
市は六月末までにすべてのくぎと樹名板を撤去し、担当者を指導したという。だが、一部の樹木には今月初めになってもくぎだけが残っているものもあった。
市民からは「市のキャッチフレーズには『緑と清流』がうたわれ、市は独自の森林文化をはぐくんできた。木の恩恵を身近に感じている市が、生きている木にくぎを打ち付けるなんて。心ない行為だ」との批判が聞かれる
。
同課は「木は命あるものであり、心情的なものも合わせて考慮すると適切ではなかった」と話している。今後は、小さな縦看板の樹名板を木の近くに設置する方法も検討するという。
一方、所沢市緑町のケヤキは今年三月、クレーン車などの作業に支障を来すため、マンション業者が市に申請をせずに無許可で剪定した。
同市道路維持課は一月、マンション業者からケヤキ剪定についての相談を受け、道路法が規定する申請の必要性などについて説明していた。
剪定されたケヤキは樹齢約五十年。街路樹百八本のうちの三本。ケヤキは所沢市のシンボル的存在で、こちらも住民の指摘で事態が発覚した。
市の厳重注意を受けた業者側は六月初め、剪定したケヤキ三本を三年間、専門業者とともに責任を持って育成し、万が一枯れた場合には新たに植樹する確約書を提出。また、市の緑の基金に九十万円を寄付した。
今回の事態を受け、周辺住民は街路樹の景観を守るガイドラインづくりを訴え、「街路樹管理指針」の制定を求める請願を六月市議会に提出。市議会建設水道委員会で全会一致で趣旨採択された。
市は「ほかの自治体の対応を含め研究を進めた上で検討に入るかを決めたい」としている。
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