ID 14572
登録日
2009年 12月25日
タイトル
林業に光を
.
新聞名
愛媛新聞
.
元URL.
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/chijiku/ren018200912263984.html
.
元urltop:
.
写真:
.
コンクリートから木へ。政府が作成した「森林・林業再生プラン」は、林業の効率化と木材の安定供給を目指す新戦略だ。低迷する国内林業にさす、希望の光になればと願う。疲弊する地方の象徴でもある限
界集落を救うためにも▲
林業衰退は著しい。1960年に木材輸入が自由化される前、国内自給率は9割を超えていた。ところが安価な輸入木材はあっという間に国産材を駆逐。今では自給率2割がやっとだ▲
木材生産量は激減し3割に。林業従事者は2割以下のありさまで、山は荒れた。一方、東南アジアなどの森林は伐採に次ぐ伐採で崩壊し、木材の多くが日本へ向かう。自国の山を荒らし、他国の森さえ破壊する。国土の7
割近くを森林面積が占める日本の、これが現状だ▲
待望の政府プランだが、実効性を伴ってこそ。作業道整備による低コスト化や、伐採作業の集約化のためのシステムづくり。いずれも地域の取り組みに血を送る動脈に育ってほしい▲
折しも、戦後に拡大造林された樹木は「適齢期」に成長。海外から「木材ハンター」と非難されないためにも、国内自給率引き上げは喫緊の課題だ。成長産業になる要素は備える▲
コンクリートから人へ―を理念とした来年度予算案が決定した。人が木が、主役の座を取り戻すとき。数十年間、役立つ日を待ち続けた森林も、自らにさす光が待ち遠しかろう。
..