ID 14152
登録日
2009年 11月27日
タイトル
長さ15メートルの木樋、原型で出土
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://osaka.yomiuri.co.jp/inishie/news/is91126a.htm?from=ichioshi
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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奈良~平安期、つなぎ目に木皮巻く
奈良時代から平安時代のため池跡から出土した田畑に水を流す木樋(高取町の薩摩遺跡で)
高取町の薩摩遺跡で、ため池跡から一部が見つかっていた奈良時代~平安時代(8世紀~12世紀)の木製のとい「木樋(もくひ)」が、ほぼ完全な形で出土し、県立橿原考古学研究所が25日、発表した。農業用水を流す
ために使われ、水漏れを防ぐため、つなぎ目部分に木の皮を巻くなど高度な技術を用いた丁寧な造りで、同研究所は「当時の土地開発や土木技術の様子を知る重要な資料」としている。
木樋は、杉の丸太をくりぬいており、池の堤(幅約14メートル、高さ約1・2メートル)から時期が違う四つが出土。9世紀頃のものが最大で、つないだ2本の長さは約15メートル、幅約50センチ、厚さ約30センチ。土中に
沈まないよう枕木を敷き、つなぎ目部分などに杉の皮を巻いていた。元々は木樋の上にふたがあったとみられる。
数百年間に3回据え替えられており、池の底に土がたまると堤の上部へ移動させたらしい。堤には、小枝を敷いて地盤を強化する「敷葉工法」が用いられていた。
現地説明会は28日午前11時と午後1時から。近鉄市尾駅下車徒歩15分。
工楽善通(くらくよしゆき)・大阪府立狭山池博物館長の話「池の全面的な発掘は珍しく、木樋や堤から当時のハイテク技術がうかがえる。農業用水として重要なので、何度も改修したのだろう」
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