ID 14126
登録日
2009年 11月25日
タイトル
都内最後の木造見番 保存・活用へ道筋
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新聞名
Tokyo MX
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元URL.
http://www.mxtv.co.jp/mxnews/news/200911248.html
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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港区芝浦にある『旧協働会館』が先月、区の有形文化財に指定されました。もともとこの建物は、かつて花街として栄えていた芝浦の地域で芸者の取りまとめをする『見番』でした。老朽化による取り壊しの計
画を乗り越えていま、ようやく保存・活用への道筋が見えてきました。
JR田町駅から東へおよそ600メートルの港区芝浦の一角に木造の古びた建物があります。先月、区の有形文化財に指定された『旧協働会館』です。協働会館は1936年、当時花街として栄えていたこの地区で芸者のとり
まとめをする『見番』として建てられました。都内に残る最後の木造見番と言われています。建てられてから70年余りほとんど姿を変えることなく、芝浦花柳界の面影を伝えています。
許可をもらい建物の中を見せてもらいました。港区・芝浦港南地区総合支所の岩崎雄一課長は「見番時代の事務所部分が残っているのは都内でも非常に珍しい。また、曲がった階段と親柱が非常に珍しいと聞いていま
す」と話します。
協働会館は戦後、東京都の港湾労働者の宿泊施設として利用されました。老朽化が進み2000年に閉鎖し、一時は取り壊しの計画も持ち上がりました。しかし、近隣の住民らによる要望を受けて港区は保存の可能性を模
索しました。協働会館はこれからどうなるのか方向性が決まらぬまま時が過ぎ、その間も雨漏りによる建物の腐食は進んでいきました。
2階に上ると100畳もの大広間が広がります。岩崎さんは「これがいわゆる『百畳敷き』の大広間。奥に見えるのは舞台になっている」と話します。芸者の踊りや唄の稽古に使われていたこの大広間は、閉鎖されるまでの
間、地元の住民の集会や催しの会場などとして使われ広く親しまれていました。
建物は4月に港区が東京都から無償で譲り受けて、文化財指定に至りました。これにより、取り壊しの危機は免れたことになります。今年に入って雨漏り対策も施されました。岩崎さんは「文化財に指定されたことはもちろ
んだが、区民、地域の人たちが思っていることはここを以前のように使いたいということ。われわれとしては使えるようになるのか慎重に検討してきたい」と話します。地元の願いは建物の活用です。以前のように利用で
きるよう、今後も区に働き掛けていくことにしています。芝浦1丁目会の中島恭男会長は「一度はもう駄目になったんですから。(取り壊して)具材を誰が運ぶかまで決まっていた。そこをもう一度巻き返して、地元が使える
ような方向性を出してもらって、地元と港区が一緒にやっていけたら区民は喜ぶのではないか」と話します。
集会施設として利用するには耐震性などを確保しなければなりません。港区では現在、建物の補強方法について調査・検討を重ねていて、今年度中に方針を出すことにしています。
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