ID 1224
登録日
2006年 6月22日
タイトル
『ナンジャモンジャ』守ろう 樹齢85年公園の珍木
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新聞名
東京新聞
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元URL.
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20060622/lcl_____tko_____000.shtml
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元urltop:
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写真:
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台東区立御徒町公園(同区台東四)にある、推定樹齢八十五年の珍木「ナンジャモンジャ」を知ってもらおうと、同区公園緑地課の職員、室井佳子さん(25)が手作りの絵はがきセットを作製し、希望者に配布し
ている。約四十年前に区民が寄贈し、現在も毎年五月の連休前後に雪のような花を咲かせる。室井さんは「多くの人にこの木のファンになってもらい、区のシンボルとして守っていきたい」と話している。 (丹治早智子)
ナンジャモンジャは、丘陵帯の山林に育つモクセイ科の落葉高木。和名は「ヒトツバタゴ」。国内では主に中部地方と九州地方に離れて分布している珍しい木だ。
寄贈したのは、公園近くに住んでいた故・荒沢〓次郎(えいじろう)さん=昨年七月死去、享年(97)。関東大震災の翌年、明治神宮外苑(旧青山練兵場)の六道の辻(つじ)にあった親木のタネから鉢植えにしたナンジャ
モンジャの苗木を親類から譲り受け、庭に植え替えるなどして大切に育ててきた。家の増築を機に一九六七年、区に寄贈。同年三月、公園に移植された。
現在高さ約十メートル。青々と葉を茂らせ、一見、元気そうに見えるが、移植当時はまだ苗木だった周囲の桜やケヤキが、今やナンジャモンジャと同じくらいに成長。「その被圧で、木が息苦しくて悲鳴をあげている」と専
門家はいう。
室井さんは知り合いの樹木医に相談し、「木のことをもっと知ってもらおう」と絵はがきセットを作った。荒沢さんの遺族とも会い、移植当時の話などを聞かせてもらった。
はがきは七枚セットで満開の花や、移植当時の貴重な写真などを掲載。メッセージカードも添えている。「来年は移植から四十年目、区制六十周年の節目の年。木をライトアップさせるなどして理解者を増やせれば」と
室井さん。
戦災も免れ、町の移り変わりを静かに見つめてきたナンジャモンジャ。現在も公園近くに住む荒沢さんの長女、荒沢悦子さん(63)は「父は亡くなる寸前まで、木のことを気にしてました。これを機会に緑に関心を持つ人
が増えてくれれば、大切に育ててきた父への供養にもなる」と話している。
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