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ID 11591
登録日 2009年 5月 3日
タイトル
地球温暖化、衰える森林 固有種、全滅の危機 その2
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/select/science/news/20090504ddm010040015000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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新緑の季節を迎えた。森林はさまざまな生物のすみかであり、人は多くの恩恵を受け取ってきた。だが、今、多くの森林が開発や地球温暖化の影響にさらされ、生物も絶滅の危機にある。連携して危機を乗り 越えようとする人々の取り組みを紹介する。【足立旬子、下桐実雅子】  ◇照葉樹を自然復元 官民一体「目標1万ヘクタール」--宮崎・綾町  宮崎県綾町には国内最大規模の約2000ヘクタールの照葉樹林が広がる。照葉樹林の王様、樹高35メートルのイチイガシも見える。「これほどの巨木が残るところは他にない」。綾町照葉樹林文化推進専門監の河野 耕三さん(61)は誇らしげだ。
 県の調査では、約850種の植物が分布し、イチイガシやスダジイ、タブノキなどの照葉樹は国内のほぼ全種がそろう。絶滅危惧(きぐ)種のクマタカが生息し、特別天然記念物ニホンカモシカの生息南限域だ。菌類のキ リノミタケは、西日本と米テキサス州にのみ分布する貴重な種だ。
 林野庁九州森林管理局は昨年3月、原生林がまとまって残る中核部の1167ヘクタールを最も規制が厳しい「森林生態系保護地域」に設定した。同様の措置は、世界自然遺産の屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森、秋 田県)、知床(北海道)にも取られている。
 一方で、ブロッコリーのような形の照葉樹林を分断する形で針葉樹が目に付く。戦後しばらくして、政府が大規模伐採後、高く売れるスギやヒノキなどの針葉樹に植え替えたためだ。照葉樹林の面積は日本の森林(約25 00万ヘクタール)の約1%に過ぎない。
 05年、100年後に計1万ヘクタールの照葉樹林の復元と保護を目指すプロジェクトが始まった。NPO「てるはの森の会」(宮崎市)、九州森林管理局、県、綾町、日本自然保護協会の5団体が協定を交わした。現在、人 工林でボランティアも参加して間伐が進む。日光を取り入れ、自然に照葉樹林を復元させる計画だ。
 ◇「シカ食害」新たな脅威  綾の森には新たな脅威が忍び寄っている。
 標高1100メートルを過ぎると、シイやカシなどの照葉樹林から新緑のブナ林へと森は姿を変えた。「ここが常緑から落葉に変身する最前線」。日本自然保護協会の大沢雅彦専務理事が周囲を見渡した。
 中核部分の大森岳(1108メートル)の向かいの掃部(かもん)岳(1223メートル)の稜線(りょうせん)には、照葉樹林の上にブナ林が広がる。ここは、東南アジアから日本に到達した照葉樹林と、北からの温帯型落葉樹 林が接している南の端だ。
 4月中旬、日本自然保護協会は気温と湿度の計測機器を一帯に設置した。温暖化が進むと衰退が懸念されるブナ林の状況を調べるためだ。森林総合研究所(茨城県つくば市)の試算では、ブナの生育に適した土地が2 1世紀末には約9割減る恐れがある。
 また、九州森林管理局の06年度調査によると、アカガシやヤブツバキなどでシカによる食害率は2割を超えていた。ニホンカモシカを見かける機会も激減しており、増加したシカに生息域が奪われたと考えられてい る。
 シカの増加は全国に共通する課題だ。その背景に、周囲の森林伐採でシカが山地に追いやられたことや、気候変動で雪が減り餌不足によるシカの死亡率が低下したことなどが指摘されている。
 今年4月、屋久島の自然保護団体でつくる「屋久島生物多様性保全協議会」のメンバーが綾町を訪れ、現場を視察した。屋久島もまた、人工林からの復元やシカの食害という問題を抱えていた。
 照葉樹林はヒマラヤ中腹や東南アジア北部、中国、日本に分布し、共通の文化をはぐくんできた。綾と屋久島、そして東アジアをネットワークでつなぎ、開発や温暖化などの新たな脅威から、日本人の生活、文化をはぐく んだ森を守る挑戦が始まろうとしている。
 ◇早まる開花、遅れる落葉  気象庁によると、04年までの50年間に、桜の開花時期は全国82カ所の平均で4・2日早まった。60年代の4月1日に桜が開花していたのは、三浦半島から紀伊半島にかけての本州・太平洋沿岸と四国、九州だった。
最近10年間では同時期に関東、東海、近畿、中国でも開花している。日本の年平均気温は100年当たり1・1度の割合で上昇した。
 変動が大きいのは都市部だ。東京など大都市で平均6・1日早く、山形や水戸など中小規模の都市11カ所では平均2・8日と差があった。温暖化に、ヒートアイランド現象が加わったためとみられる。
 また、ツバキで9・4日、タンポポで6日、サルスベリで5・8日--など、ほかの植物でも開花時期が早まっている。
 一方、イチョウやカエデの色づきや落葉の時期は遅くなった。イチョウは「落葉日」(葉の80%以上が落ちた日)が平均5・4日、「黄葉日」(葉の大部分が黄色に変わった日)は10・7日遅れた。カエデも落葉日が9・1日 、紅葉日が15・6日遅くなった。
==============  ■ことば  ◇気候変動枠組み条約と京都議定書  地球温暖化防止を目指す条約で92年に採択された。日本を含む約190カ国・地域が締結している。97年の第3回締約国会議で、各国は先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付ける京都議定書を採択。08~12 年の排出量を90年比で先進国全体で年平均5%以上削減する目標を掲げ、日本は6%の削減義務を負う。今年12月にコペンハーゲンで開かれる第15回締約国会議で13年以降の「ポスト京都議定書」の枠組みを決め る。
==============  ◇気候変動をめぐる主な動き 92年 気候変動枠組み条約採択 94年 条約発効 97年 京都議定書採択 01年 米国、京都議定書離脱 05年 京都議定書発効 07年 「温暖化に疑う余地なし」とした国連の「気候変動に関する政府間パネル」の報告書発表  同  09年までに京都議定書後の枠組みで合意することを盛り込んだバリ行動計画採択 09年 次期枠組み合意へ
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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