ID 11356
登録日 2009年 4月16日
タイトル
切断放置の「観音桜」、新たな芽吹き
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090415-OYT1T00614.htm
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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台風で2年前に倒れた福島県小野町の町指定天然記念物「観音桜」が、切断処分された幹から新芽を吹き、十数本が苗木となるまで育っている。
10年後に花が咲くという。町は挿し木で再生を試みたものの断念、倒木は切り分けられて放置されていた。奇跡の新芽に、宍戸良三町長は「再生は不可能だと思っていただけに、町民みんなで喜んでいる。名所となる
よう育てていきたい」と話している。
倒れる前の姿(2004年撮影、福島県小野町提供)
台風で倒れた観音桜(2007年撮影、福島県小野町提供)
観音桜は、同町小戸神の東堂山満福寺の近くにあった推定樹齢550年のエドヒガンザクラ。寺にある観音様にちなんで名が付き、1985年に町天然記念物に指定された。高さ12メートル、枝幅30メートル、大蛇のよう
にくねった枝ぶりを誇り、見事な花に毎年約1万人が訪れていた。
ところが、2007年7月の台風4号で根元から倒れた。県林業研究センターの専門研究員が30本の枝を採取し、挿し木による再生を試みたが、失敗した。
昨年5月、処分された観音桜の倒木が放置されている杉林で、新芽が出ているのをたまたま通りかかった宍戸町長が見つけた。林業研究センターに連絡し、研究員が芽を採取した。
林業研究センターは、幹が太く養水分が蓄えられていたことや、木陰で水分が残っていたことなどの好条件がそろったため、新芽が出たとみている。
15~30センチになった十数本が育っており、約2年後には1メートル~1メートル50の苗木に育ち、植樹できるという。専門研究員渡辺次郎さん(57)は「切断された古木から芽が出るのはあまりなく、苗木に育てるの
も難しい作業だったが、うまくいった珍しいケース」と話している。
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