ID 11344
登録日 2009年 4月16日
タイトル
県から曽木の滝・桜島・縄文杉~平成百景
.
新聞名
読売新聞
.
元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20090416-OYT8T00087.htm
.
元urltop:
.
写真:
写真が掲載されていました
.
読売新聞が読者からの投票を参考に日本を代表する100か所の景観を選ぶ企画「平成百景」。県内からは曽木の滝(伊佐市)、桜島(鹿児島市)、縄文杉(屋久島町)が選ばれた。この3か所について、地元関
係者には古里が誇る名所への思いを、ヨミウリ・オンラインを通じて投票した人たちにはかの地での思い出話などを、それぞれ聞いた。
■曽木の滝
「うれしい。励みになります」と喜ぶのは、伊佐市にある曽木の滝観光協会の下田洋征会長(65)。「5月以降は水量が増えダイナミックに、夏場は水が引いて美しい岩目が姿を現す。四季折々で違う表情を見せる素晴ら
しい景観です」と魅力を語る。
滝幅210メートルは国内最大級で「東洋のナイアガラ」とも呼ばれる。紅葉や桜の名所としても知られ、多くの観光客でにぎわう。2010年度には、滝の上を渡る橋が下流側に架け替えられ、道路事情も改善されること
から、同協会の期待は大きい。
同協会の坂元省吾さん(31)は「曽木の滝という財産をまだ生かし切れていない。福岡から車で2時間半の場所でもあり、県内外の人にその良さを味わってほしいし、下流に残る曽木水力発電所跡とも合わせてアピール
できれば」と語った。
湯下美津子さん 72 「小学生の頃、食糧難の神戸から、食べ盛りのきょうだい3人、知人を頼って羽月(伊佐市)に疎開していました。よそ者扱いされることなく、心豊かな時代を送ることが出来ました。遠足で何回かい
きましたが、空腹でやっとたどり着いた時、荘厳な姿に疲れも吹き飛びました。その光景は胸に焼き付いています」(兵庫県三田市 無職)
■桜島
錦江湾をはさんだ対岸にそびえる桜島を“借景”にした庭園が人気の鹿児島市の仙巌園。約5年間、観光ガイド役の「語り部」を務める同市西伊敷の安楽ミサ子さん(66)は「誰もが慰められたり、励まされたりしている。
県民の心のよりどころなのです」と話す。
安楽さんは、大隅半島の錦江町出身だが、校区内には、1914年(大正3年)の大噴火により疎開してきた人たちが住んでいた。被災者たちの話を聞いて育ち、桜島といえば、自然災害をもたらす怖い場所というイメー
ジを持っていた。
バス会社への就職を機に62年、鹿児島市内に移住。様々なことを学ぶうち、県民にとって、言葉で表現し尽くせない偉大な存在ということを知っていった。
「今後も、この山の存在感を伝えていきたい」
植木ミサ子さん 60 「故郷・鹿児島のシンボル。実家からもよく見えて、噴火すると黒い雲がもくもくと立ち上がり、風向きによっては実家の方にも灰が降ってきました。農作物への被害はありますが、大切な観光資源。
昨年の大河ドラマ『篤姫』で何度も雄大な姿を見て、懐かしく思いました」(千葉県船橋市 パート)
■縄文杉
九州森林管理局自然遺産保全調整官の濱田秀一郎さん(47)は、屋久島町の屋久島森林環境保全センターに駐在し、職員らとともに、縄文杉をはじめとした豊かな森を守る取り組みを続けている。
だが、縄文杉は2005年5月、心ない何者かに表皮が削り取られる被害に遭った。濱田さんらが、傷口を消毒するなど“治療”を続けた結果、一部が完全に治癒したという。
「地道に活動を続けていきたい」と語る濱田さんの目下の心配事は、7月に屋久島全域で観測される皆既日食だ。大勢の観光客の来島が見込まれている。
「周囲の植生が崩れれば、杉自体もだめになってしまう。縄文杉を含めた島全体の森林保全のため、出来るだけ、入山しての観測や野外宿泊は控えるよう呼びかけていきたい」
田中輝彦さん 64 「56歳の時、朝5時に宿を出発し、ガイドさんに自然の説明をしてもらいながら、無事、会うことが出来ました。ガイドさんにコーヒーをいただいて、仰ぎ見た時は、人生観が少し変わったような気が
しました」
..