ID 10921
登録日 2009年 3月 9日
タイトル
巨木が語る人間の姿 映画「バオバブの記憶」本橋成一監督
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新聞名
MSN産経
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元URL.
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/090310/tnr0903100818002-n1.htm
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元urltop:
-リンク切れ-
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写真:
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樹齢1000年とも言われる巨木に寄り添い生きる人々を描いた映画「バオバブの記憶」が14日から、東京・渋谷シアター・イメージフォーラムなどで上映される。人と木の“共生”にスポットを当て人間のある
べき姿に迫ったドキュメンタリー。これまで、写真家として数多くの問題提起をしてきた本橋成一監督が、作品に寄せる思いとは。(三宅陽子)
舞台は西アフリカ、セネガルの首都ダカールから約100キロのトゥーバ・トゥール村。村人は100あまりの活用方法があるといわれるバオバブの木に生活品の多くを与えられ、暮らしている。
映画はナレーションが入りこそするが、映像を中心に村の1年を淡々と描写。農作業の傍らバオバブの樹皮でロープを作ったり、葉を薬にする様子や、祈祷(きとう)師を通じて木に病気の治し方を尋ねる風景などが映
し出される。
「バオバブは神の許しを得て芽を出すといわれている。村では、出てきたものは絶対に切らないし、神の代わりに植えたりもしない。だから、道の真ん中に木が生えていたりする」と本橋監督は、ほほえむ。
バオバブとの出合いは35年前。テレビ番組の撮影で訪れた東アフリカで、干魃(かんばつ)に苦しむ象が、水分を多量に含む木をなぎ倒そうとしているのを見た。
「今までこんな光景は見たことがない」
こう語るマサイ族長老の言葉に、本橋監督は、何千、何万年と続いてきたバオバブと象の共生が崩れてきていることを知った。ダカール近郊は今、開発ラッシュだ。幹線道路を敷設するためバオバブが伐採されること
も多くなった。村でも自給自足の生活をやめ、街へ出稼ぎ者が流入。ゴミも目立ち始めた。「5年後には村もどうなっているかは分からない」と顔を曇らせる。
「いつの間にか科学が進み、物質文化となった。人間だけが地球の時間を超えて走り出してしまったのではないか。バオバブから見たらどう見えるのだろう。『あなたたち変じゃない』といっていると思う。村の人が主人
公だからバオバブは語ることがで
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