ID 10760
登録日 2009年 3月 5日
タイトル
「えびすの森」を守ろう 西宮神社で森林再生活動
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新聞名
神戸新聞
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元URL.
http://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/0001735742.shtml
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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近年、生態系が崩れつつあった西宮神社(西宮市社家町)敷地内の「えびすの森」を守るため、樹齢100年を超える老木を別の場所で挿し木し、苗木に成長させた上で、あらためて森に返す再生計画が成功
した。苗木は4日、無事“里帰り”を果たし、同神社は「街の中にある貴重な森林。周囲の力を借りながら、本来の姿を残していきたい」と話している。(堀内達成)
えびすの森は約2・6ヘクタールで、都市部の森林としては異例の広さを誇る。クスノキなどの常緑樹が生い茂り、県の天然記念物にも指定されている。しかし、近年は環境の変化や外来種の侵入などにより、本来の生
態が崩れてきていた。
このため、「都市部で自然の森は維持できるのか」をテーマに調査を続ける神戸大大学院農学研究科の石井弘明准教授(38)が、約6年前から神社と共同で森の保全活動を開始。学生も加わり、異常に茂って地表への
光を遮っていた外来種シュロの除去や、落下の危険がある枯れ枝の伐採などを行ってきた。
森の環境整備を進める一方、挿し木するためのクスノキの枝は一時、岡山県の独立行政法人「林木育種センター」に移された。苗木は温室内で養分を与えられ、約1年8カ月間で約10-30センチの高さに成長した。
この日、神社に戻ったクスノキの苗木は計11本。今後は境内の一角に植えられ、適度な大きさに育った後、森に植樹される。同神社の吉井良昭宮司は「放っておくのが自然の森だと思っていたが、逆に手を加える方が
自然に近い状態になることなどを教えられた。これからも守っていきたい」と話していた。
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