ID 926
登録日 2006年 5月 3日
タイトル
畑元知事ゆかりの「楷の木」 県庁で初めて開花
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新聞名
埼玉新聞
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元URL.
http://www.saitama-np.co.jp/news05/04/06l.html
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元urltop:
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写真:
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畑和元知事ゆかりの木が初めて開花? さいたま市浦和区の県庁東門近くに名もなくひっそりと立つ木をじっと見つめる人がいた。入間市立東金子中学校の内藤定芳校長(秩父市在住)。「県庁に所用で来た
ついでに立ち寄ってみた。花をつけたのは初めてかも」という。意味が分からず、内藤さんの説明をしばし聞いた。
内藤さんが見上げていた木は通称「楷(かい)の木」。学名をピスタチア・シネンシス・ブンゲといい、ウルシ科の落葉高木。中国山東省曲阜にある孔子の墓に弟子の子貢が植えた木で、学問の木として知られ、論語を信
条とする人々に愛され保護されてきたという。
雄木と雌木があり、開花まで二十年前後かかり、花が咲くまで雄、雌は分からない。挿し木や接木が難しく、自然・人工受粉でしか次の世代の木は生まれない。このため“血統”をたどることができる木としても知られてい
る。
内藤さんによると、県庁の楷の木は、一九七五年十月、県立川越図書館開館時に当時の畑和知事が手植えした木の兄弟で、神奈川県金沢文庫にある雌木と、横浜市の園芸家・鈴木吉五郎さんの雄木を人工受粉して得
られた苗の一本という。
楷の木は、県内では小中学校の校庭や、小鹿野町両神の埼玉県山西省友好記念館「神怡舘」、深谷市の渋沢栄一生家などで大切に保存されている。県庁の木と兄弟とみられる東秩父東小、東秩父中の木が近年、開花
したため、内藤さんは毎年、開花時期に県庁の木を観察に来ていたという。
県庁の楷の木は高さ六メートル、幹回り四十センチほど。枝打ちされ、新芽はほとんど見られないが、最上部にひげのような花が三房ほど見える。「出始めなのと、高すぎてよく見えないが、おそらく雌花では」と内藤さ
ん。
普段、気にも止めない木だったが、内藤さんの話を聞いてから、違う木に見えるから不思議だ。
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