ID 8957
登録日 2008年 10月 3日
タイトル
樹齢は1650年 レッドウッド丸太の露天風呂
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/nagano/news.php?k_id=21000310810030001
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元urltop:
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写真:
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青みがかった乳白色のお湯につかると、赤や黄に色づき始めた小笠の斜面が目前に広がる。高原のひんやりした風が顔をなでた。硫黄泉のにおいが鼻をくすぐる。ぬるすぎず、熱すぎないのが心地良い。
浴槽の縁に寄りかかると木目が感じられる。北米に自生する巨木「レッドウッド」だ。樹齢1650年とされる直径3・2メートルの丸太をくりぬいた宿自慢の露天風呂。幹の切断面が赤く染まることから付いた樹木名だが、こ
の浴槽は硫黄の影響か白っぽい。「湯の花」が舞う単純硫黄泉の源泉かけ流しだ。
87年の開業当時のオーナーが、学生時代に米カリフォルニアで見たこの木にほれ込み、船便で持ち込んだ。建物や食堂のテーブルにも使われている。
東京・六本木などでフランス料理店を経営しながら、しばしば宿を訪れていた兼平緑さん(62)はオーナーと意気投合。だが、オーナーは開業して約1年後に体調を崩し、宿を手放すことを考えた。手を挙げたのが緑
さんだった。「ああ欲しいなと思ったの」
4年前からは息子の曜輔さん(31)が経営を仕切る。全10室というこぢんまりとした宿。妻の絵馬さん(31)と長男・尊乃介(とう・の・すけ)君(3)、7人のスタッフ、そして猫のタロウと犬のポパイが客を出迎える。
「お客さんの反応がじかにわかるのが、この商売の魅力」と話す緑さん。表紙に「訪れる人に安らぎを 去りゆく人に幸せを」と書かれた訪問ノートは、13冊目になった。
幼少のときに訪れた女性が両親を招待したり、恋人同士で来た人が結婚後に子どもと再び訪れたり。「満天の星空を見ながらの露天風呂は最高」「接客が心地よかった。また必ず来ます」――。
露天風呂は無料で貸し切りも。周囲には牛が放し飼いの山田牧場があり、冬は目の前のスキー場で楽しめる。家族や友人、恋人……。大切な人がいる幸せをかみしめながら過ごせる宿だ。(
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