ID 7706
登録日 2008年 5月23日
タイトル
果物や野菜、生食で不調に 口腔アレルギー症候群
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/living/health/CK2008052302000104.html
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元urltop:
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写真:
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みずみずしい果物や野菜のうれしい季節になった。だが青果物で起こる「口腔(こうくう)アレルギー症候群」というアレルギーがある。一般的な食物アレルギーと違い、思春期以降に初めて発症する場合が多い
。花粉アレルギーとの関係が指摘されている。
川崎市の会社員女性(38)は、生のパイナップルを食べると、決まって胃が締めつけられるように痛くなる。「朝食べると昼すぎまでは胃が重い。シロップ漬けなら何ともないのに」
学生時代に初めて食べた時、唇の両角が切れ、口の中がかゆくなった。胃痛に襲われるようになったのはここ五、六年。「一切れぐらいなら大丈夫な場合もある」。レンゲやスギ、ブタクサなどの花粉にアレルギーがあ
る。
横浜市の会社員女性(31)は今月、キウイを食べた直後にのどがピリピリし始め、激しい吐き気に襲われた。一緒に食べた家族に異常はなかった。これまでも食べていたが、発症は初めて。やはり、スギやヒノキ、カモ
ガヤなどの花粉症に悩まされている。
口腔アレルギー症候群は、生の果物や野菜を食べて十五-三十分程度で起こるアレルギー。唇や口の中が腫れたりかゆくなるほか、全身症状が起こることもある=イラスト。
アレルギーは体が異物と判断したものを排除しようとする免疫の働きだ。一般的な食物アレルギー(卵、牛乳など)は食物が消化されてから発症するが、同症候群は口腔内の粘膜に接触することで起こると考えられて
いる。
食物アレルギーの多くは乳幼児期に発症して、成長とともに改善することが多いが、同症候群は思春期以降になって初めて現れることも少なくない。
千葉クリニック(東京都江戸川区)の千葉友幸院長(小児科、アレルギー科)は「成人の受診者が増えている」と語り、背景として「花粉症の人に多い」と指摘する。花粉症でなくても発症することはあるが、例えば、シラカ
バの花粉にアレルギーのある人は、リンゴやモモなどバラ科の青果物に反応が出やすい傾向があるという=表。
シラカバ花粉とバラ科の青果物にはアレルギーの原因となる物質が共通して含まれる「交差抗原性」がある。「シラカバ花粉にアレルギーのある人は、交差抗原性のある青果物も間違って排除しようとする」と千葉院長
。シラカバが多い北海道にリンゴアレルギーの患者も目立つという。
青果物にアレルギーがある場合、ゴム(ラテックス)にもアレルギーを起こしやすい。血液検査や皮膚テストなどで調べられる。
複数回発症した場合、同症候群である可能性が疑われる。千葉院長は「口にして違和感があれば食べないこと」とアドバイスする。
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