ID 7549
登録日 2008年 5月11日
タイトル
日本最古のリンゴの木、樹齢130年の節目
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新聞名
陸奥新報
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元URL.
http://www.mutusinpou.co.jp/news/2008/05/1931.html
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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つがる市柏桑野木田にある「日本最古のリンゴの木」が今年、樹齢130年の節目を迎えた品種は「紅(べに)絞(しぼり)」が2本「祝(いわい)」が1本。中には高さ約7メートル、幹周りが約3メートルの木もあり、
守り神のような存在感を漂わせる。今も「まだまだ現役」とばかりに多くの花を咲かせ、生命力あふれるたたずまいが観光客らを元気づけている。
リンゴの木は1878年(明治11年)、旧柏村の古坂乙吉さんが本県リンゴ栽培の先駆者菊池三郎さんから譲り受けたもの。以来、乙吉さんの子孫がリンゴ農家を継承しながら木の管理を続け、1960年には県の天然記念
物に指定された。
現在、木を世話している古坂徳夫さん(57)は四代目。兄の卓雄さんが若くして亡くなったため、2003年から役目を引き継いだ。
木の状態を保つために心掛けているのが、若い枝を残すこと。若い枝が育つと根の活性化につながり、木全体が元気になる。木への負担を軽くするため、実をならせ過ぎないようにも心掛けている。以前は3本の木か
ら90箱程度収穫していたが、現在は60箱ほどに抑えている。
収穫したリンゴは「長寿リンゴ」として同市の老人福祉施設に毎年贈っている。「寿」の文字入りリンゴを作り、金婚式に使われたこともある。「体が弱ってきた両親に食べさせたい」「入院中の子供を元気づけたい」といっ
た理由で買い求める観光客も少なくない。
収穫期になると、祝は青緑色、紅絞は赤々とした実を付ける。この時期は小学生らの収穫体験も行われる。リンゴへの関心を高めてもらい、リンゴの消費拡大につなげるのが目的だ。
徳夫さんによると、近年、リンゴは品種改良のサイクルが早くなり、樹齢の長い木は伐採されることが多くなった。県内に樹齢100年を超えた木もあるが、状態の良い木はまれだという。
「3本の木は状態の変化により、さまざまな教訓を与えてくれた。言葉は言わないが、おめだぢ(あなたたち)も頑張れというメッセージを発しているようだ」と徳夫さん。
地球温暖化による生育への影響を心配しながらも「木をだめにしては先祖に申し訳ない。これからもしっかりと管理したい」と節目を機に意気込んでいる。
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